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生活の中の仏教用語

生活の中の仏教用語 - [307]

娑婆

「娑婆」
織田 顕祐(教授 仏教学)

 テレビドラマや映画で、軍隊や刑務所などから出てきた人が「シャバの空気はうまいな」とつぶやくシーンを見たことがある方は多いであろう。この場合、シャバは不自由で閉鎖的な場所から解放されて、束縛のない自由な身になったことを意味している。また、名誉や損得に対して、人並み以上の関心を持つ人を指して、「あの人はシャバっ気が多い」と言う場合もある。この場合、シャバは様々な利害がからみあう世間そのものを意味している。シャバとは私たちが生活しているごく普通のこの世の中を指している。閉鎖的な環境から見れば自由な場所ということになり、その自由な場で損得・利害に執著(しゅうじゃく)して生きることから、シャバっ気という言葉が使われるのであろう。

 ところが、仏教語としての「娑婆」はそのような意味ではない。娑婆は、「サハー」という原語の発音を漢字の音を借りて置き換えた音写語である。「サハー」には、その意味を表す「忍土(にんど) 」という意訳語もある。忍土とは、「苦しみを耐え忍ぶ場所」という意味である。そのあまりに露骨で身も蓋もない意味が人々に嫌われたのであろうか、こちらの方はあまり使われてこなかった。いずれにしても、私たちが生活しているこの世の中は、本質的に苦しみを耐え忍ぶ場所であるというのが、仏教の世界観なのである。

 感覚的に言えば、苦しみなどは自分の人生から排除したいというのが本音である。しかし、生きとし生けるものの中で、生きる苦しみを持つものは人間だけであろうし、生きる苦しみと生活の不都合は決して同じではない。このように考えてみると、単純に苦しみを排除することが幸福につながると考える態度は、人間であることを自ら放棄することに等しいとさえ言えるであろう。

 ところで、仏教語「娑婆」には、もう一つの意味がある。それは、ブッダ釈尊が人間を教化する場所という意味である。つまり、私たちの苦しみに満ちた生活の中に、苦しみを生み出す根元を教えて、与えられた生活を肯(うなず)く生き方を教えようというのである。眼前の苦しみは、そのよって来たる所を明らかに知って、人間であることを完成していくための糸口であると言うのである。

(『文藝春秋』2012年5月号)

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