生涯学習講座

2011年度受講講座
「安寿とつし王—説経・中世の闇と光—」
「娯楽の仏法—古浄瑠璃『しんらんき』登場—」
「あらためて きつねの恩返し—説経『しのだづま』の世界—」

2011年度講座受講生/足立敦子さん

2010年度、翌年に宗祖親鸞聖人750回御遠忌のお待ち受けを控え、大学から送られてきた生涯学習講座の中に「『本願寺聖人 親鸞/伝絵』序説」を見つけたのが、始まりでした。
「親鸞聖人の御生涯をたどる—名文『御伝抄』—」、「『四幅御絵伝』を読み解く—形式の意味・絵相の意味—」、そして、2011年度の「『安寿とつし王』—説経・中世の闇と光—」、「あらためて きつねの恩返し—説経『しのだづま』の世界—」、開放セミナーでの「娯楽の仏法—古浄瑠璃『しんらんき』登場—」と次から次へと受講させていただきました。とにかく面白い!楽しい!私は知らぬ間に流れるような語り口の沙加戸ワールドに引き込まれていました。

『親鸞伝絵』は覚如上人が宗祖親鸞聖人33回忌に祖師讃仰の儀式台本として作られた報恩講私記を絵巻として完成させたものであったと学び、四幅の御絵伝には、様々な決まりごとがあり、木にも花にも水鳥にもそれぞれ意味があることを知り、単に宗祖親鸞聖人の御生涯が描かれてあると思っていた綺麗なお軸の不思議のふたが開いたような感慨をうけました。

また翌年の紫明講座では、子どものころ絵本で読み知っていたお話しの『安寿とつし王』や大阪では安倍晴明で有名な『しのだづま』を古浄瑠璃の説経として活き活きと講義くださるのが楽しみでした。開放セミナーでは娯楽の仏法と題しての浄瑠璃節『しんらんき』を学びました。浄瑠璃節があらわれるまでは、街道の芸能としての平家物語が主であったこと、室町時代になり急速に平家物語の力が衰退していく中で浄瑠璃物語があらわれ、それを織田信長が都へと伝えたのではないかというわくわくするお話の連続でした。

まだまだ沢山の物語を沙加戸先生の講座でたっぷり味合わせていただきたい。
そして、室町以後の日本をこっそり覗き見させてほしい。
そんなことを考えながら通い続けた二年間でした。
今春、退職なさり、これからは名誉教授として一層のご活躍を、そして、私たちにわくわくする沙加戸ワールドをみせてくださることを願ってやみません。