真宗総合研究所東京分室 公開研究会
「赤ちゃんを失う悲しみと向き合う—医療・宗教・社会—」

大谷大学真宗総合研究所東京分室(所在:東京都文京区湯島)は、本研究所の設置目的にもとづき、本学が社会に対して責任を有する研究分野において、若手研究者に研究機会と環境を提供しています。「現代と自分がどうかかわるか」「現代で自分はどう生きていくか」を根幹とした研究テーマを持ち、ともすると専門分野の研究者にしか通じない言葉で語られがちな研究成果を、一般の方々に理解される言葉で語ることのできる次代の研究者の育成をはかっています。

真宗総合研究所東京分室では、室長及びPD研究員による「宗教と社会の関係をめぐる総合的研究—現代社会における宗教と共生—」をテーマとした共同研究を行っています。本研究は、人類にとって根本的な問いであり続ける、「どう生きるのか?」「どう死ぬのか?」という問題を主軸とし、宗教というフィルターを通して、社会に存在する、もしくは存在した様々な価値観の構造を明らかにすることを目指しており、当該研究の活動の一環として、この度公開研究会を開催することといたしました。

つきましては、紙面等にてご紹介いただきますようお願いします。なお、取材等のご希望がございましたら、お手数ですが下記のお問合わせ先までご連絡いただきますよう、重ねてお願い申し上げます。

開催概要

「赤ちゃんを失う悲しみと向き合う—医療・宗教・社会—」

  • 日時:2024年3月10日(日)13:30~16:40
  • 会場:御茶ノ水トライエッジカンファレンス
    〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台4-2-5 御茶ノ水NKビル11階
  • 対面・オンライン(zoom)のハイブリッドにて開催
    ※対面・オンラインのいずれも事前申込制(2024年3月7日(木)締切)
    申込フォーム:https://forms.gle/mXbVtT1hkyks34RQ9

公開研究会概要 

戦後日本において、出産の場所は徐々に自宅から病院に移行しはじめた。家と地域共同体によって支えられていた自宅出産の時代と違い、1960年代以降、病院や診療所といった施設での出産が中心になり、医学が習俗や儀礼に取って代わって妊娠・出産の場で主導権を握るようになってきた。妊娠・出産は医学によってより安全なものとされてきた一方、必ずしも思い描いていたような妊娠や出産ができるわけではない。高い安全性が期待されるがゆえに、その期待が裏切られたときの喪失感は大きなものとなる。中でも周産期喪失と総称される流産、死産、人工妊娠中絶、新生児死亡などを含む妊娠・出産にまつわる喪失体験への対処と支援の必要性が認識されてきている。日本においては2000年代から、地域で周産期喪失経験者へのサポートグループが成立しはじめ、周産期喪失経験者である母親や家族、医療従事者へのグリーフケアも注目されるようになってきた。

本研究会では、現代日本における胎児の生命観の変遷から出発し、周産期喪失に対するグリーフケアの取り組みについての理解を深めることを目的とする。前近代における習俗や儀礼に支えられてきた領域から現代の医学を主とする領域に妊娠・出産の場が変化することに伴い、「宗教」の役割もまた変容している。妊娠・出産の場で活動する医療従事者、宗教的ケアを提供するチャプレン、サポートグループとの議論を通して、悲しみとの向き合い方を考えていく。


登壇者

陳 宣聿(大谷大学真宗総合研究所東京分室PD研究員)
岩井 未来(龍谷大学大学院実践真宗学研究科教授/石井記念愛染園附属愛染橋病院チャプレン)
蛭田 明子(湘南鎌倉医療大学看護学部看護学科教授/聖路加国際大学PCC事業天使の保護者ルカの会スタッフ)


コメンテーター

白井 千晶(静岡大学人文社会学部社会学科教授)

お問い合わせ

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大谷大学入学センター(広報)
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