研究内容

明治大正期を中心に活躍した小説家泉鏡花の作品を中心にこれまで研究を続けてきました。日本文学の伝統を引き継ぎつつ、独自の文体と作品世界を作り上げた泉鏡花は、「小説」という表現方法の可能性を考える上で無視することのできない存在です。今後もこれまでの研究内容を継続深化させてゆきつつ、まずは硯友社周辺の作家の活動から近代日本の小説言語がいかにして創り出されていったかということを探究したいと考えています。

ゼミ紹介

本ゼミでは、明治時代に書かれた短篇小説を丹念に調査し読み込みます。近代文学と言っても明治期の文学はまだ現代的な文体が確立する前で、現代人から見れば古文に近いものです。しかし古文でもない。当時の作家たちが新しい「小説」というものを日本語を使ってどのように生み出そうとしていたのか、未だ見ぬ新たなものを生み出そうとした作家たちの挑戦を、ゼミの皆で追体験できれば、と思っています。古くて新しい明治文学を再発見しましょう。

主な担当授業科目

文藝塾講義/近現代文学講読/文学科演習/文学鑑賞

所属学会

日本近代文学会/阪神近代文学会/泉鏡花研究会

経歴・活動歴

1977年広島県生まれ。神戸大学大学院文化学研究科文化構造専攻博士課程修了。博士(学術)。兵庫県内の私立中学高等学校国語科非常勤講師、芦屋市立谷崎潤一郎記念館非常勤職員、鳥取大学地域学部非常勤講師などを経て、現職。

主要著書・論文

論文

  •  「自然主義隆盛下の泉鏡花 —幻想の〈技法〉構築について」
  •  「泉鏡花「貧民倶楽部」考—脱二元論へのアプローチ」
  •  「「春昼」「春昼後刻」△〇☐考」