研究内容

古来から、人間は何らかの集団に所属して生きてきました。複雑化した現代では、様々な集団が重層的に存在し、多様な社会と制度・文化などを形成しています。それぞれの社会や関係する諸問題を明らかにするには、その社会が持つ歴史的経緯について、文化や環境(気候・地理・生態系)などの要因から分析する必要があります。そのため、実地調査等のフィールドワークなどを行い、多角的な視点から人間社会の諸相を探求する研究を志向しています。このほか、情報技術を用いて、社会にとって重要な史資料をデジタルアーカイブ化し、保存しつつ社会で広く共有し活用をしていくことについても、大きな関心をもっています。

ゼミ紹介

私たちは、過去の歴史や社会のなりたちの結果としての現在に生きています。こうした社会や環境の中で生きていくには、社会のなりたちについて理解した上で、現実社会に形成されている人間の集団や社会・文化などの特質を考察しなければなりません。また、インターネットが普及した現代のような高度情報化社会では、人間はいかにして「情報」と接するのか、またそれをどのように表現し、分析・判断し取り扱っていくのかが問われます。ゼミでは、人間の社会・文化と情報をテーマとして、発表や意見交換を中心とした学修をします。また必要に応じて、社会見学会なども実施します。

主な担当授業科目

社会情報学文献講読/デジタル人文学概論/データベース概論/情報表現学特殊演習 ほか

所属学会

環境社会学会/社会情報学会/地理情報システム学会/日本アーカイブズ学会/日本考古学協会/木簡学会/条里制・古代都市研究会/関西農業史研究会/遼金西夏史研究会 ほか

経歴・活動歴

経歴

1965年愛媛県生まれ。立命館大学大学院文学研究科史学専攻博士前期課程修了。奈良市教育委員会技術職員(埋蔵文化財担当学芸員)を経て、2012年大谷大学文学部着任。

活動歴

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員(2007 ~ 2009 年度)、国際日本文化研究センター共同研究員(2013 年度)、木簡学会委員(2013 ~ 2017年度)、条里制・古代都市研究会委員(2013 ~ 2020 年度)、独立行政法人日本学術振興会審査委員 など。

主要著書・論文

共著

  • 『菜の花と人間のいとなみの文化史 -アブラナ科植物の栽培・利用と食文化-』(勉誠出版・アジア遊学 235)
  • 『人文情報学概論』(松香堂書店)
  • 『北東アジアの歴史と文化』(北海道大学出版会)
  • 『日本的時空観の形成』(思文閣)    ほか

論文

  • 「MLA 連携における 3D デジタルアーカイブ活用に向けた一考察 —M(博物館施設)・L(図書館施設)間の課題解決を中心として—」 
  • 「平城京遺跡から出土したココヤシ種子植物の形態分析」(共著)
  • 「東アジア世界からみた平城京」
  • 「蕭孝恭墓誌よりみた契丹国〔遼朝〕の姓と婚姻」    ほか