2015文化研修【インドの宗教と文化(インド仏教遺跡研修)】
概要
日程 | 2015年9月3日(木)~9月16日(水)【14日間】 |
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参加数 | 8名(引率2名) |
主な研修地 | 仏教遺跡 ・四大仏跡(ルンビニー、ブッダガヤ、サールナート、クシナガラ) ・カピラヴァストゥ ・サヘート(祇園精舎) ・マヘート(舎衛城) ・ヴァイシャーリー(毘耶離) ・ラージギル(王舎城) インド文化 ・ニューデリー(ガンディー記念館) ・ヴァーラーナシー(ガンジス川) ・アーグラ(タージマハル) |
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研修報告
2015年度の文化研修「インドの宗教と文化」が上記の日程で実施されました。この研修は、大谷大学で約20年間行われてきたものです。参加者は、まず全8回の事前講義で仏教を中心としたインドの宗教や文化の概要について学んだ上で、インド北東部やネパールに点在している四大仏跡などの仏教遺跡を中心に、インドの大地を2週間かけて巡ります。今年度は大谷大学文学部の学生6人と、大学コンソーシアム京都を通して申し込んだ他大学の学生2人(合計8人)が参加しました。
仏跡の実際の様子は、多くの参加者の心に強く響いたようでした。仏跡をただ見るだけであれば、仏教についての様々な本にも写真が掲載されていますし、現代ならばインターネットでより詳しく確認することも可能です。しかし、実際にその場所を訪れて、そこを包み込んでいる空気や照りつける日差し、また様々な国から巡礼に訪れている人々の姿などに触れるというのは、本やインターネットではできない経験です。参加者はそうした経験から大きな何かを感じ取っていたようでした。
マーヤー堂にて ヴァイシャーリーにて
また、参加者の多くは、インドの人々の暮らしぶりに実際に接し、「本当の豊かさとは何なのか」をいう大切な問いにも気づかされたようでした。インドの道路は日本ほど整備されておらず、加えて途中で政治的なデモなども行われていたため、予定通りに日程を消化できなかった時や、想定していた以上に移動に時間が取られ皆の顔に疲労の色が漂っていた時もありました。また、水道水が飲めなかったり、スマホを使おうと思っても特に田舎の方ではWi-fiが思うようにつながらなかったりと、様々な不便さをも経験しました。しかし、参加した学生たちの感想を聞くと、そうした不便さも、日本での自分の日常を見つめ返す良い経験となったようです。
帰国後には、すべての参加者がこの研修で学んだことをレポートにまとめて提出しましたが、そこからは、今回の研修が非常に有意義な学びの機会となったことが伝わってきました。異文化体験は、私たちが日頃当たり前と思っている自分の日常やものの考え方を、時に反省的に問い直させてくれるものですが、とりわけインドのような、日本とは環境が大きく異なる国は、思いもよらない大きな刺激を私たちに与えてくれます。今回の研修旅行は、特に多感な青年期における異文化体験が非常に価値あるものであることをも教えてくれました。
【新田智通(仏教学 インド)】