海外研修プログラム報告

2013文化研修【中国の宗教と文化(中国仏教遺跡研修)】

概要

日程 2013年8月22日(木)~9月2日(月)【12日間】
参加数 11名(引率者2名)
主な研修地 大同(雲崗石窟・懸空寺)
五台山(菩薩頂・顕通寺・竹林寺他)
太原(玄中寺)
平遙(平遙古城)
洛陽(龍門石窟・関林廟・白馬寺)
西安(香積寺・大慈恩寺・兵馬俑坑博物館)
敦煌(敦煌石窟・鳴沙山)

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研修報告

中国仏教遺跡研修は、日本の仏教に大きな影響を与えた中国仏教に関する遺跡を見学し、中国の宗教・文化・歴史などについて学ぶことを目的としています。本年度は、中国を代表する石窟寺院である雲崗石窟・龍門石窟・敦煌石窟をはじめ、円仁ら日本僧も巡礼した五台山、中国浄土教の祖である曇鸞・道綽・善導ゆかりの地である玄中寺などの仏教遺跡のほか、兵馬俑坑博物館など著名な文化遺産を訪れました。

北京に到着後は専用バスでの移動、途中の車窓からは万里の長城や石炭を運ぶ長大な貨物列車などを眺めつつ、最初の訪問地である山西省の大同へ向かいました。皇帝たちの姿を模した壮大な大仏などから成る雲崗石窟、数多くの寺院があり豊かな自然も残る五台山と旅は進んでいき、太原では玄中寺を訪れ、参加者一同で勤行を行いました。古い町並みの残る平遥では自由行動の時間をとり散策、宿泊は中庭を囲む中国の伝統的な建築を改装したもので、独特の雰囲気を楽しむことができました。

 
山西省を離れた後は河南省の洛陽へ、北魏~唐の石窟が数多くの残る龍門石窟や中国最古の寺院である白馬寺などを訪れました。次いで陝西省の西安へ、途中の車窓からは雄大な黄河の流れや険しい華山など、中国ならではの風景を見ることができました。西安では玄奘ゆかりの寺である大慈恩寺や兵馬俑坑博物館のほか、善導塔の建つ香積寺を訪れ、ここでも勤行を行いました。また、町の中心地では民芸品を売る店が軒を連ねる中を散策し、夕食は名物の餃子料理を味わいました。その後、飛行機で最後の訪問地である甘粛省の敦煌へ、有名な莫高窟を見学したほか、ラクダに乗って鳴沙山の麓を巡ったり、町なかの屋台散策を楽しんだりしました。

玄中寺にて勤行                                                        敦煌鳴沙山にて

今回の研修旅行で訪れた遺跡は、歴史上きわめて重要なものが多く、参加者は中国の仏教について多くのことを学ぶことができたと思います。また、中国の風習や文化に触れ、買い物などを通して中国の人々の姿を垣間見ることで、現代中国の状況の一端を知る貴重な体験をすることができたのではないでしょうか。この研修旅行をきっかけに、参加者が中国の文化への理解を一層深め、さらなる関心を持ってくれることを願っています。
【松浦 典弘(専門/東洋史学)】