海外研修プログラム報告

2013文化研修【インドの宗教と文化(インド仏教遺跡研修)】

概要

日程 2013年8月31日(土)~9月13日(金) 【14日間】
参加数 9名(引率4名)
主な研修地 ・シュラーヴァスティー(祇園精舎、舎衛城)
・ルンビニー(マーヤー夫人堂、ルンビニー園)
・クシーナガラ(大涅槃寺)
・ヴァイシャーリー(アショーカ王石柱)
・ナーランダー(仏教僧院遺跡)
・ラージギル(王舎城、霊鷲山)
・ブッダガヤー(大菩提寺)
・ベナレス(ガンジス川)
・サールナート(鹿野苑、考古学博物館)
・アグラ(タージマハル、アグラ城)
・ニューデリー(国立博物館、ラージガート、インド門)

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研修報告

伊丹空港から成田経由でニューデリーに行き、空港近くのホテルに到着したのは翌日の午前1時でした。少し仮眠をとってから、朝5時にはホテルを出て空港に向かいました。ニューデリーからラクナウまでインド国内線の飛行機で行き、空港からシュラーヴァスティーまではバスで行きました。ウッタル・プラデーシュ州の州都であるラクナウは、美しい街ですが、バスで通過するだけなので毎回残念に思います。シュラーヴァスティーでは、ブッダが雨安居を過ごした祇園精舎を訪れました。ここで勤行しましたが、とても雰囲気がいい場所です。スリランカからの巡礼者もたくさん来ていました。翌日、陸路バスで国境を越えてネパールに入りました。途中、雨による悪路のためトラックが横転しており、道路を塞いでいました。迂回路を通って国境を越え、予定よりも4時間遅れてルンビニーに到着しました。遅い昼食を食べてから、マーヤー夫人堂を訪れました。日も暮れていましたが、建物がライトアップされており、とても幻想的でした。再び国境を越えてインドに再入国し、クシーナガラに向かいました。途中でバスがパンクしましたが、予定通りの時刻に到着することができました。

アグラ城にて                                             タージマハルの前で

翌日、ケーサリヤ経由でヴァイシャーリーに向かいました。ヴァイシャーリーは雰囲気のいい小さな農村です。ヴァイシャーリーに新しくホテルができたので旅程が楽になりました。翌日、ナーランダー経由でラージギルに行きました。霊鷲山に登ったのは夕方でした。紫色の夕陽がきれいでした。翌日、前正覚山に登ってから、ブッダガヤーに入りました。残念ながら大菩提寺の大塔には作業用の足場が組まれており、集合写真の撮影には苦労しました。翌日、ベナレスに向かい、サリー工場を見学しました。ベナレスはシルクの産地としても有名です。ベナレスでは連泊し、早朝のガンジス川に行きました。ことしはインドでも雨量が多く、ガンジス川はかなり増水していたにもかかわらず、ヒンドゥー教徒がたくさん沐浴していました。生きている宗教の活気を体感しました。ベナレスからアグラへはインド国内線の飛行機を使いました。アグラではアグラ城とタージマハルを訪れました。アグラ城から見えるタージマハルは蜃気楼のようでした。アグラからインドでの出発地ニューデリーに戻りました。国立博物館、ラージガート、インド門などを訪れました。ニューデリーからは再び、成田経由で伊丹空港に全員無事に戻りました。

移動はインド国内線の飛行機を2回使いましたが、それ以外はすべてバスを使いました。インドは年々クルマの量が増えています。ニューデリーには地下鉄が走り、郊外には高層ビルの建ち並ぶ新しい町が建設中でした。その一方で、われわれが訪れた仏教遺跡のあるネパールとの国境近くの地方はブッダの時代とほとんど変わらない景色のままだと思います。都会と地方との格差を強く感じました。2週間という短い期間でしたが「母なる大地インド」を実感できた研修であったと思います。最後になりましたが、インドでの現地研修をサポートしていただいた関係者の方々に御礼申し上げます。

【山本 和彦(専門/仏教学)】