海外研修プログラム報告

2010語学研修【韓国文化研究・実践韓国語(東西大学校短期韓国語研修)】

概要

日程 2010年8月9日(月)~8月31日(火)【12日間】
参加数 8名(引率者2名)
主な研修地 東西大学校にて語学研修
午前:授業
午後:授業または文化研修

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研修報告

隔年で開講されている本研修ですが、今回も韓国第二の都市釜山にある本学の協定校東西大学校の語学堂において実施されました。釜山は下関や博多、大阪との間にフェリーを就航させている港町で、歴史的にも古くから日本と深い関係をもってきました。近年は国際映画祭や美術祭典の開催を通じて、あらためてその名が広く知られるようになり、とりわけ2005年のAPEC開催によって、国際都市釜山の存在感は不動のものとなりました。

朝鮮戦争の際に、北から下りてきた前線が釜山でぎりぎり押しとどめられたことから、釜山には戦前の古いものが存外残されていましたが、近年の国際化にともなって街の再開発が進んでおり、年々都市部分が拡大しています。特に高層アパートや東洋一を誇る最先端の商業施設が整備されつつある水営地区周辺の変貌ぶりは目覚しいものがあります。

授業風景                                                        陶芸教室の様子

本研修は京都コンソーシアムの授業でもあるため、他校から3名、本学から5名、計8名の学生が研修に参加しました。研修期間中は東西大学校の外国人専用寄宿舎に滞在しながら、昼間は語学堂に通って授業をうけるという日々を過ごしました。参加者は研修参加の動機も語学力もバラバラでしたが、三週間の研修を終える頃には飛躍的な成長を遂げました。研修の一番初めに、親しい友人や家族にあてて韓国語の手紙を書くということをしましたが、研修の終了時期にまた同じ人に向けて手紙を書き、最初の手紙と比較することで研修期間中の自己の成長を確認することができました。研修では現地のイ・ユンジョン先生に語学学習の指導をしていただき、文化研修においては陶磁器製作、韓紙細工、現代自動車工場見学、キムチ作りなどを各先生方にご指導、ご引率いただきながら体験しました。生活面では都市交通を自分達で自由に乗りこなし、自主的に行動する楽しさも感じることができたようです。

語学・文化研修終了後は韓国の新幹線に匹敵するKTXに乗ってソウルに移動し、ソウルを拠点としてソウル市内や近郊の街を見学しました。中でも日本軍「慰安婦」であったおばあさんたちが共同生活をしている「ナヌムの家」での体験は参加者に強い衝撃として記憶に残ったようです。

外国で生活をするということはストレスに満ちたたいへんなことですが、それ以上にその環境の中で言語や文化を学び、自分で道を切り開く喜びを多く感じ取ってくれたように思います。帰国後も留学生と交流をはかり熱心に語学学習を持続している姿はたいへん頼もしく映りました。今回も参加者の中から、韓国の協定校への交換留学や釜山大学の語学堂への1年間の留学を決意した人が現れました。心から応援したいと思います。
【喜多恵美子(専門/韓国・朝鮮美術)】