海外研修プログラム報告

2009文化研修【中国の宗教と文化(中国仏教遺跡研修)】

概要

日程 2009年8月20日(木)~31日(月)
参加数 12名(引率者2名)
おもな研修地 大同(雲崗石窟・懸空寺)
五台山(菩薩頂・顕通寺・竹林寺他)
太原(玄中寺)
平遙(平遙古城)
洛陽(龍門石窟)
西安(香積寺・草堂寺・興教寺・大慈恩寺・兵馬俑坑博物館他)
天水(麦積山石窟・五丈原諸葛廟)
蘭州(炳霊寺石窟)
北京(八達嶺長城・天安門・故宮)

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研修報告

中国仏教遺跡研修は、中国北部の仏教遺跡を中心に、日本仏教に大きな影響を与えた中国の宗教と文化を学ぶことを目的として開講されています。法然・親鸞に大きな影響を与えた曇鸞・道綽・善導三師、『阿弥陀経』『法華経』『維摩経』を翻訳した鳩摩羅什、『西遊記』三蔵法師のモデルとして知られる玄奘ゆかりの寺院や旧跡を主な研修地としています。

第2回目の実施となった今回は、新疆ウイグル自治区の民族対立の影響もあり、当初予定されていた敦煌にかわって、天水の麦積山石窟、蘭州の炳霊寺石窟が新たな研修地となりました。両石窟は敦煌と並ぶ重要な遺跡であるにもかかわらず、訪ねることが容易でない場所として知られています。今回その両石窟を訪ねることができ、とても意義深い研修となりました。

他大学からの参加者を含む一行は、オリンピックを終え今年建国60周年を迎える北京に到着した後、雲崗石窟を皮切りに五台山、太原、洛陽・龍門石窟、西安と日程を進めていきました。

麦積山石窟にて                                       炳霊寺石窟にて

玄中寺・香積寺では、勤行や両寺の住職さんとの対談を通して、私たちの日頃の学びを支えてきた歴史の深さを感じた人もいます。西安では街中を自由に散策する時間や、旅行中お世話してくださったガイドさんと女子学生による餃子パーティーを通して、参加したそれぞれの思いや考え方を知ることもできました。完成間近の高速道路を脇に見ながら悪路に長時間身を揺らした天水までの道のり。冷や汗を流しながら高い回廊を登り、そこで目にした息をのむような麦積山石窟・炳霊寺石窟での光景。・・・・・・12日間の日程の一コマ一コマを通して、参加者それぞれが中国の歴史と風景の雄大さ、そこに生きている人々への感慨を深めることができました。

研修を通して得られた多くのものを通して、一人ひとりが自らの今後への決意を新たにしつつ無事に研修を終えることができました。
【三木 彰円(専門/真宗学)】