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2016年度新着一覧

2016/06/08【学術研究】

2016年度 大谷学会 春季公開講演会

ポスター/2016年度大谷学会春季公開講演会

標記の公開講演会を下記の通り開催しますので、多数ご出席くださいますようご案内します。

【大谷学会】

一般来聴歓迎・事前申込不要・入場無料

2016年度大谷学会春季公開講演会 詳細

日時 2016年6月8日(水)13:00~16:10(開場12:30)【予定】
会場 大谷大学 講堂

近代の憑依と苦悩 
  講師 東京大学名誉教授 姜 尚中 氏

講演概要

19世紀の世紀末から第一次世界大戦までを生きた、20世紀最大の社会科学者マックス・ウェーバーは、自らを「近代ヨーロッパ文化世界の子」と呼びましたが、そこには西欧を発生源としながら、その地理的範囲を超えて「普遍性」を僭称してきた〈近代〉の「憑き物」に対する批判的な問題意識が宿っています。ウェーバー自身は、安易な超近代やポストモダン、あるいはプレモダンや太古的なものへの帰順を戒めましたが、彼自身が極度の心の病に冒されていたことからも分かるように、〈近代〉の憑き物が耐え難い精神的な苦悩の源泉になっているという自覚は変わりませんでした。
百年前、ドイツの社会科学者が心身をかけて向き合った〈近代〉の憑き物は、成長や進化が殆ど望めず、「定常型社会」への移行が不可避となろうとする中、決定的にその限界を露呈し、多くの人々に耐え難い苦悩や不安を及ぼしつつあるように見えます。
講演では、〈近代〉の憑き物とは何であり、それはどんな問題となって現れているのか、それを「心」の問題、したがって価値や生き方の問題として扱った、ウェーバーとほぼ同時代の夏目漱石の文明観や作品などを参照しながら論じ、私たちの現在を考えてみたいと思います。

講師紹介

専攻は政治学、政治思想史。1950年、熊本県熊本市に生まれる。国際基督教大学準教授、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授、聖学院大学学長などを経て、現在東京大学名誉教授。2016年1月より熊本県立劇場館長兼理事長に就任。テレビ・新聞・雑誌などで幅広く活躍。主な著書に『マックス・ウェーバーと近代』(岩波書店,2003)、『オリエンタリズムの彼方へ—近代文化批判』(岩波書店,2004)、『漱石のことば』(集英社,2016)などがある。

解決よりも触発をー不透明な時代の社会学 
  講師 大谷大学教授 阿部 利洋 氏

講演概要

グローバル化の進む現代世界では、一方でテロ、難民、紛争といった不安定化の動きも顕著です。さまざまな解決策が採られるものの、事態は期待通りに変化せず、新たな問題が派生してしまうこともしばしばです。
たとえば紛争後の社会に対しては、これまで国際社会がさまざまな支援・介入を行ってきましたが、正義や司法の分野における取り組みは、つねに(程度の差こそあれ)失敗であると批判されてきた経緯があります。あるゴールへ向けて社会をコントロールしようとしたけれど、うまくいかなかったと。けれども、視点を変えてその「失敗」の内実を見ていくと、実際にはいろいろな副産物・派生効果を見出すことができます。もっといえば、ある種の不十分さ・否定的な性格が、当初予定されていなかった効果を触発した、といえるかもしれません。
この見方には社会学的な思考と近いものがあります。逆説的な説明や意図せざる結果への着目など、社会学理論の多くは「コントロールできない社会のメカニズム」に関心をもっています。人間は社会を十分にコントロールすることができません。しかし不断に働きかけ、予測を外れる現実に直面し、あるいは肯定的な逸脱が生じることもあります。どのような条件がこうした帰結を生むのか、それが私たちの社会に今後どう関わってくるのか、考えてみたいと思います。

講師紹介

専攻は社会学。1973年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員、大谷大学講師・准教授を経て、現職。南アフリカとカンボジアの体制移行・紛争解決・移民問題をテーマに調査・研究を重ねる。主な著書に『紛争後社会と向き合う』(京都大学学術出版会,2007)、『真実委員会という選択』(岩波書店,2008)などがある。

タイムスケジュール

13:00 開会の辞
13:10 講演 解決よりも触発をー不透明な時代の社会学
                講師 大谷大学教授 阿部 利洋 氏
14:10 質疑応答
14:30 休憩
14:40 講演 近代の憑依と苦悩
                講師 東京大学名誉教授 姜 尚中 氏
16:00 閉会の辞
16:10 終了【予定】

教育研究支援課
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                  ※土・日・祝日および大学で定める休業日を除く。

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