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Home > 読むページ > きょうのことば > 藝術によって、人は満たされない過剰欲望の苦悩を、ふしぎな享楽にかえることができる。

きょうのことば

きょうのことば - [2020年10月]

藝術によって、人は満たされない過剰欲望の苦悩を、ふしぎな享楽にかえることができる。

「藝術によって、人は満たされない過剰欲望の苦悩を、ふしぎな享楽にかえることができる。」
小林太市郎「人間と欲望」(『小林太市郎著作集1 藝術の理解のために』 淡交社 27-28頁)

  人間の欲望には金銭欲、権力欲、愛欲などいろいろありますが、それらの欲望に共通するのは「きりがない」という無限性です。しかし際限なく欲望を追い求めても、限りある身体や寿命、能力、環境などの「現実」に阻まれるのが常です。故・小林太市郎博士(神戸大学名誉教授・美術史家)は、その状態を「過剰欲望の苦悩」と呼び、「藝術」こそがその苦悩を「ふしぎな享楽」にかえられると言いました。

  小林博士は、欲望そのものは否定しません。欲望は人間だけがもつ「想像力の源」で、社会や科学の発展に必要なエネルギーになるからです。しかし一方で、満たされない過剰欲望による苦しみが生じる。そこで、その欲望を転移ないし昇華させ、救済機能をもつのが藝術だというのです。では、その「救済」はどのようにして可能になるのか?

  例えば、これこれを食べたいという「欲望」(食欲)から「想像」し(食べたいものを思い浮かべ)、「行為」にうつす(実際に食べる)ことは自然です。しかしこの「自然の連鎖を藝術は想像までで断ち切ってしまう」ものであり、「想像の享楽(楽しさ)を何より深くせねばならない」のだと小林博士は言います。つまり藝術の世界は、欲望をストレートに行動にうつす現実世界ではなく、想像世界の豊かさを、様々な作品を通して探求するところにその醍醐味や意義があると唱えるのです。

  小林博士が言う「藝術」の前提となる美術鑑賞について考えてみましょう。しばしば美術品の良さが分かる・分からないといったことが言われます。しかし藝術の本質としての「創造性」は、受容する側の想像によって多面的な解釈を自由に許す点にあります。

  例えば、江戸時代の尾形光琳の有名な作品に“紅白梅図屏風”があります。左右に描かれた二本の梅と、その間を流れる湾曲した水流が描かれた作品です。多くの人が教科書などで見たことがあるでしょう。この作品は装飾性の強い大胆な構図などの造形性に特徴があるとされ、内容についてはただ「素朴な自然」という見方が一般的でした。

  しかし小林博士は、光琳は自分が見た夢の中の欲望をこのような絵にしたのではないかと想像しました。中央の水流は女性の身体、両側の梅の木を別々の男性(左の白梅が光琳本人、右の紅梅が光琳のパトロンだった中村内蔵助)を象徴しているとし、この絵はある奉公人の女性をめぐる三角関係を表しているとする説を唱えたのです。この説は、それまでの見方とはかなり異なるものでした。

  このような自由な解釈が許されるのは、まさに藝術ならではの想像世界だからです。そしてそれこそが、現実世界の欲望を昇華させ、想像の世界に浸る喜びをもたらすのです。ゆえに藝術という創造に深く向き合うことは、私たちの人生に大きな潤いを与えるでしょう。小林博士の言葉には、そんな願いが込められていると言えます。

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