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Home > 読むページ > きょうのことば > 自己なるものをおれは歌う、つまり単なる一個人を、それでいて民主的という言葉も、大衆という言葉もおれは発する。

きょうのことば

きょうのことば - [2018年01月]

自己なるものをおれは歌う、つまり単なる一個人を、それでいて民主的という言葉も、大衆という言葉もおれは発する。

「自己なるものをおれは歌う、つまり単なる一個人を、それでいて民主的という言葉も、大衆という言葉もおれは発する。」
ウォルト・ホイットマン(『おれにはアメリカの歌声が聴こえる-草の葉(抄)』 光文社 12頁)

  ウォルト・ホイットマン(1819-1892)は19世紀の激変するアメリカ社会を生き、それを作品に反映した詩人でした。印刷工などの仕事を経て、社会派ジャーナリストとして読者の啓発に努めた彼は、しかし、政党政治の実態に幻滅し挫折を味わいます。その傍ら、ホイットマンは共和国の自由と美徳の理念に基づく文学の形を探求し、1855年に革新的な詩集『草の葉』の出版にこぎつけました。彼は合衆国自体が「最大の詩編」であると述べ、徹底した人間肯定の精神が支える新世界の壮大なヴィジョンを披露しました。ホイットマンはアメリカの民主主義を喜び、その連帯を大衆に対して呼びかけました。

  標題の言葉は『草の葉』の冒頭を飾るマニフェストのような一編です。民主主義を唱道したホイットマンにとって、個人と民衆の両方が大事だと歌われています。個性を尊重しつつ、全ての人間の平等を主張するならば、その理想の集約である「自己」は相反する二つの面をもつことになります。「自己」は豊富さと多様さを含んだうえでの個性なのです。ホイットマンの労働者、農民、漁夫といった市井の人々への信頼は生得のものであり、それは南北戦争を体験することでいよいよ血肉化されました。戦争において、彼は名もなき兵士たちの各々に民主主義の典型を見たのです。

  ホイットマンのヴィジョンの特長は宇宙にまで届く詩的想像力にありました。彼は、上記の言葉に続いて、詩神は骨相学や脳髄では満足せず、身体全体が大切なのであり、詩人は「元気で、自由自在な活動のため神聖なる法のもと形作られた生について、現代人について」歌う、と記しています。ホイットマンは、当時の科学的知識を貪欲に吸収しながら、自己の複合性と地上の生命全体の発展に関心を寄せました。一人一人を草むらのなかの一枚の葉と見なす彼は身体や性行動を賞揚し、また死を恐怖ではなく、大いなる生命の一部であると考えたのです。

  ホイットマンの詩の対象は、後年には物質世界から精神世界へと移行していきます。彼の詩は空前の物質的繁栄と社会的腐敗の共存する金めっき時代のアメリカの頽廃を相殺し、「美しい創造」を果たしてくれる神との神秘的合一を指向しました。軽佻浮薄さや卑劣なずるさを批判し、時代に抵抗しようとする彼の試みは、詩の具体性を失わせ、理想の実現を未来へ先送りしたとも言えるでしょう。ホイットマンの言葉はあくまで「民主的」であることを標榜しつつ、今なおその矛盾を私たちに向けて問いかけています。

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