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きょうのことば

きょうのことば - [2016年04月]

まず何よりも肝心なのは、思いきってやり始めることである。

「まず何よりも肝心なのは、思いきってやり始めることである。」
カール・ヒルティ(『幸福論』第一部 岩波文庫 24頁)

 新入生の皆さん、入学おめでとうございます。いよいよ待ちに待った大学生としての新しい生活が始まりますね。きっと期待と不安で、胸がいっぱいなのではないでしょうか。そして在学生の皆さん、また春が巡ってきました。新年度を気持ちよくスタートしたいですね。

 標題の言葉を書いたカール・ヒルティ(1833~1909)は、スイス出身の思想家、哲学者で、人生や人間、愛などについて深く思索した人でした。この言葉は、私たちがどのようにすれば習慣的な勤勉さを身につけることができるか、ヒルティが、その「コツ」を述べたものです。この標題の言葉の後には、
    仕事の机にすわって、心を仕事に向けるという決心が、結局一番むずかしいことなのだ。一度ペン
   をとって最初の一線を引くか、あるいは鍬を握って一打ちするかすれば、それでもう事柄はずっと容
   易になっているのである。
と、続きます。

 このヒルティの言葉について自らを振り返ると、私は思い当たる節がありますが、皆さんはいかがでしょうか。試験勉強、宿題、課題レポート、いずれも締め切り間近でなければ“やる気スイッチ”が入らないということはありませんか? 切羽詰って取り組み始めたものの、焦ってしまって上手くいかず後悔したことはありませんか? 恐らく誰しもが、そうした苦い経験の一つや二つあるのではないでしょうか。そう反省してみると、この言葉は、単に勤勉になるための「コツ」を教えているだけではなく、あれこれ準備に迷い、為すべきことに取りかかれない私たちに対して、まずは思いきって始めることの大切さを教え諭してくれていると思われます。

 もちろん大学生活は、楽しいことばかりではありません。新入生の皆さんも、在学生の皆さんも、未知なる学問との遭遇や、ゼミ、サークルなどで経験する人間関係に、時には戸惑うこともあるでしょう。でもそんな戸惑いの数々は、先輩たち皆が乗り越えてきたことばかりです。何より思い切って一歩を踏み出すことで、不安の解決への糸口が見つけられるように思います。それは、新しい自分と出遇っていくための挑戦とでも言えるのではないでしょうか。

 さあ、新しい季節がやってきました。古い自分の服を脱ぎ捨てて、一歩を踏み出しましょう。そして新しい自分にチャレンジしてみませんか。

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