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今という時間

今という時間 - [169]

「チームワークと食」
中桐 伸吾(なかぎり しんご)

 韓日共催2002年ワールドカップがまもなく始まる。日本の活躍が大いに期待されている。
 サッカー等の集団スポーツで重視されるのがチームワークである。チームワークは現象的には選手達の行動の一致とみることができる。その行動の一致を可能ならしめるのが心理的結合である。選手達の心と行動が心身一如的状態になったとき、高いチームワークが生まれる。選手達はそれを目指して厳しい練習を行うのである。
 非常に親しい友人のことを「同じ釜の飯を食った仲間」とよく言う。スポーツで合宿をしている選手たちは、そんな仲間たちである。彼らは寝食を共にし、共通の行動を通して心理的結合を高め、行動の一致を目指すのである。
 人は美味しいものを食べているとき、一緒にいる相手に好意を抱いたり、自分の心の扉を開いたりすると言われる。日常生活においてもお茶やお酒等を媒介に仲間が形成されたり、コンパを契機に学生同士が親しくなることがある。また、テレビ等で「一家団欒」を表現するとき、家族全員が楽しく食卓を囲むシーンが映し出される。
 このように、食事は単なるエネルギーの補給だけでなく、人間関係やチームワークを高める「心の栄養」とも呼ぶべき重要な役割がある。しかし最近は、家族がばらばらに食事をしたり、一人だけで食事をする子供も増えている。だからこそ、私達はもっと食の重要性を認識する必要がある。

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