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今という時間

今という時間 - [137]

「大西北開発に進言」
李 青(り せい)

 夏休みの長春滞在中に「髪菜の採集禁止」の話をよく耳にした。髪菜は中国西北部でよく採れる野生植物である。「発財」=「金持ちになる」と同じ発音なので、広東人や東南アジアの華僑が縁起物として料理に使っている。金になる髪菜の無断採取は大草原を破壊した。改革開放政策を採用してから経済成長が著しい。しかし、金儲け優先の風潮は環境問題を切り捨ててきた。
 この春の黄砂は、関西にまで大量に飛来した。中国も異常気象で、強風が吹き、大量 の黄砂が北京や上海のような大都会、多くの都市に降り注いだ。その一部が海を越えて、関西まで飛んできた。
 中国では国家プロジェクトとして、「西北開発」が動き出そうとしている。先日、来日した首相朱鎔基は日本の財界に開発への協力を呼びかけた。日本の資金と技術が大いに期待されている。
 人類は近代的な技術によって、自然環境を悪化させてきた。今日こそ、地球全体の生態環境を考えるべきではないだろうか。西部地域の砂漠防止のための植林緑化、敦煌の文化遺産保護のために周辺を緑化するような協力こそ、求めるべきではないだろうか。環境問題は国家、民族、宗教を越えた全人類の一大事であるからだ。
  新たな開発は西北の人民に未来への希望を抱かせることは間違いない。ただ、緑の大草原と羊の大群、昔ながらの風景を絶やすことのないよう、願ってやまない。

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