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そして、教壇へ。~彼らと教職支援センターの日々~

先生になるにはどうすればいいですか?2017

(8) 河内 雄策さん

たくさんの良い先生に出会ったから人生の目標を、1人でも多くの心に残る良い先生に。(河内 雄策)[2017年3月 文学部教育・心理学科卒/2017年度 京都市教育委員会採用(小学校)]

教師全員が、すべての子どもたちの心に残る良い先生にはなり得ない。それが現実だ。だが、良い先生に出会うこと。このことが子どもたちの成長にとって、計り知れない影響を与えることは、教師を目指す人間なら理解できるだろう。河内には、そんな良い先生が何人もいる。
小学校の同級生に、授業になかなかついて行けないと言う友だちがいた。担任教師はその子も含めてみんなを分け隔てなく見てくれた。子どもながらに「先生は誰一人として見捨てないんだ」と感じ、うれしかった。でも卒業文集に書いた将来の夢はプロ野球選手。学校の先生という職業は頭の片隅をよぎった程度のことだった。
中学生になると、遅刻をしたり、許されていない自転車通学をしたり、河内の生活面に乱れが出始めた。河内だけではない。何人もそういう生徒がいて、学校全体にゆるみが生じ、じわじわと広まりつつあった。だが、そんな生徒1人ひとりと熱心に話をして、ゆるみを締めて回る教師がいた。「僕なんかにも丁寧に接してくれた、大事に扱ってもらった」。その気もちが今でも忘れられない。前からちらりと浮かんでいた先生という職業が、河内の目標になったのはこのときだ。
そして高校生。野球部の監督が河内の人生の師となった。学校という枠から出れば、人は社会という海に漕ぎ出さなくてはならない。誰も教えてはくれないが、そこには礼儀作法やマナーが存在する。社会を歩む術を、野球を通して叩き込んでくれた。自分で社会を生きていくために努力すること。師は、河内の行くべき道筋をはっきりと照らしてくれた。

ボランティア、バイト、野球のコーチ。毎日子どもたちと関わって過ごした。

こうして、先生になるという気もちはだんだんと大きく、確かなものになった。大学に入ってからは小学校へボランティアに行き、家庭教師のバイトをし、土日には少年野球のクラブチームのコーチを引き受けた。ほぼ毎日、子どもと関わった4年間だった。
特に学校ボランティアは、教員採用試験の準備の1つだと思い、1年次のときから通った。学習支援として、学習が遅れがちの子や、落ち着いて授業に臨めない子に寄り添い、教師の補助的な役割を担う。学外でおこなわれる宿泊学習にも同行し、子どもたちと山登りをしたこともあった。
「きちんと本格的なサポートができるようになってきたのは3年次になった頃からだと思います。机間指導を任されるようにもなりました」。子どもたちとたくさんの時間を過ごし、どうするのがベストなのかを考えるようになった。充実感をも覚えていた。しかし、悩みが全くなかったわけではない。

自分は学校で何をすべきなのかを模索。どんなときも現場から目をそむけない。

「それは子どものためにならへん」
ショックだった。良かれと思って子どもにしてあげたこと。でも子どものためにならないと、ボランティアの現場で先生に指摘されたのだ。自分の役目は学習支援だ、どこまで支援して、何を子どもにさせるべきなのか。あんなに楽しいと感じていたボランティアに行くことを、「嫌だな、行きたくないな」と感じる日もあった。答えは見えない。おそらく明確な正解も無い。だが、河内は通い続けた。子どもが好きだから、先生になりたいから。その一心で、自分のすべきことを探し求めて、学校へ足を運んだ。
日頃から子どもたちと関わり、学習を積み重ねた結果だろう。採用試験の勉強に焦りは無かった。子どもたちから学んだことが、合格に導いてくれた。「どんな先生になりたい?」と問うと、「熱意のある先生になって、卒業した後でも『あの先生良かったな』って思ってもらえるような」と河内。思い描くのは、自分が出会ったような、いつまでも心に残る良い先生だ。

教員採用試験等個別相談会

子どもたちからのプレゼント

コーチをしているクラブチームの子どもたちが保護者の方と一緒に作ってプレゼントしてくれた。子ども一人ひとりからのメッセージがうれしい。

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