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そして、教壇へ。~彼らと教職支援センターの日々~

先生になるにはどうすればいいですか?2016

(9) 木下 可菜さん

多くの出会いと別れが教えてくれた。正解は無い。だから学び続ける。(木下 可菜)[2016年3月 教育・心理学科卒/2016年度 京都府教育委員会採用(小学校)]

20年後、自分は何をしているだろうか。12歳だった木下は迷わず、「小学校の先生をしている」と答えた。毎日一緒に遊んだり給食を食べたりしている担任の先生の姿を見て、「こんな楽しい仕事があるんだ、私も先生になりたい!」と思ったのがきっかけだった。実際、楽しいだけではないと分かるのは、もう少し先のこと。
他の職業を考えたことは無かった。大谷大学の教育・心理学科は、高校の先生に勧められた。
「かなり力を入れてサポートしてくれると聞きました。でもせっかく入学しても教師にならないのでは勿体ない。だから『あなたの夢が変わらないようなら大谷大学に行きなさい』と言われて。絶対変わらんやろ、と思ったのでここへ来ました」

教師という仕事の難しさを知るも、様々な人に助けられた日々。

この4年間、積極的に複数の小学校へボランティアに出向いた。ときにはケンカの仲裁に入り、興奮した子どもたちをなかなか収拾させることができないことも。ゼミの市川先生や岩渕先生にも相談しながら体当たりで取り組んだ。

「食育講座」で楽しく京雑煮を作った

「現場の先生には、じっとその子の目を見て諭すことも教わりました。でも私が目を見ても『何やねん』と言われて終わり(笑)。長年経験を積まれた先生に聞いた通りにやってもダメなのかと。子どもに合った対応を探さないといけない。正解は無い。難しい仕事だなと思いました」
また、教師力養成講座や教育実習では、1人の先生としてどうあるべきかを改めて指導していただき、社会人としての心意気や立ち居振る舞いも学んだ。ボランティアではいつも「学生さんありがとう」と感謝され自信を持っていた分、それまでの甘さを認識できたのは本当にありがたかった。自分の作業に没頭し、人手が必要な場面に気付かず注意されたこともあった。「授業に深みが無い」と言われたこともあった。それらの厳しい言葉はすべて、教師になった木下が困らないよう、将来を見据えて贈られたもの。今のうちに言われておかなければ、と素直に受け止めることができた。
採用試験に向け、特に力が入ったのは面接対策。教職支援センターの吉川先生に何度も添削していただいた小論文で、言いたいことに緩急をつけてちょうど良い長さにまとめるトレーニングを行った。谷大の先生方をはじめ、教師力養成講座でお世話になった小学校の校長先生にも面接練習をしていただいたし、友だちとお互いの感想も言い合った。色々な意見を参考にして自分の話し方を模索。回数を重ねた甲斐あって、試験当日の緊張は幾分少なかったと思う。

子どもの数だけ指導も変わる。今後に生かせる大きな経験。

ところで以前に木下は、大学広報の企画の一環で、ひと足先に教師になる夢を達成した先輩と対談したことがある。3年前の『そして、教壇へ。』に登場した川井柚香だ。実は木下が、ボランティアや演習、実習でいくつもの小学校に行くことを選んだのは、川井に影響されてのことだった。
「川井さんは、あえて何校も見るようにしたとおっしゃっていました。もちろん愛着は湧きますから、そのまま同じ小学校に行き続けたい気もちはあります。1回ずつお別れがあるのはつらかった。でも、たくさんの子どもや先生と関われたことは大きな経験ですし、環境や教え方の違いを実感できて勉強になりました。今後に活かせると思います」
ケンカの仲裁のときも思い知った。子どもの数だけ指導も変わる。多くの人の意見に耳を傾け、向上心を持って学び続けていきたい。そのためにも、まずは謙虚でいようと決めている。

川井柚香先輩との対談時のワンシーン

小学校時代の卒業アルバム

小学校の先生になっているという自分の未来が、当時からハッキリと見えていた。夢は叶ったが、これからが本当のスタートだ。

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