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そして、教壇へ。~彼らと教職支援センターの日々~

先生になるにはどうすればいいですか?2015

(7) 乾 香奈子さん

いつも友だちの後ろにいた私が、教室の1番前に立っている。(乾 香奈子)[2013年3月 教育・心理学科卒/2015年度京都市教育委員会採用(小学校)]

大勢の前に立つのは苦手。たとえ相手が子どもであったとしても。そんな乾の不安が、面接官に見抜かれないはずがない。採用試験で告げられたのは、2度の不合格だった。
乾は、教育・心理学科の第一期生として大谷大学に入学した。先輩がいないためみんなで手探りで勉強する毎日だったが、かえって仲間との絆は深まった。1人では何をすればいいか分からないときも、教職支援センターに顔を出せば必ず誰かがいてくれた。卒業してからも、時々会って互いの近況報告は欠かさないし、一緒に教職支援センターへ遊びに行くこともある。岩渕先生をはじめ、いつも温かく迎えてくださる先生方には本当に感謝している。
また、在学中はオープンキャンパスや学内行事にもよく参加した。学科内の運動会を企画、提案し、ゼロから自分たちで立ち上げたのも乾たち。教職支援センターの先生たちに相談しながら、大学の体育館を借りて開催、大成功を収めた。今でも後輩に引き継がれているのがうれしい。

運動会を企画したメンバーと

しかし、乾は当時の自分を控えめに評価する。
「周りの友だちが引っ張ってくれたおかげなんです。私も提案はするけど、自分から発信したり、リーダーになったりするのは得意じゃなかった。だからもし先生になれたとしても、私はちゃんと子どもたちの前に立てるのか…自信がありませんでした」

教壇に立ち続けた経験が、自分の授業スタイルを確立させた。

卒業後、講師として藤城小学校で担任を持って2年になる。「得意じゃない」とは言っても、子どもたちにとってクラスをリードするのは結局、乾なのだ。教壇に立てば全員が一斉にこちらを見る。やはりこの経験こそが、乾にとっては何にも勝り大きかったと言えるだろう。
先日、全国から多くの教育関係者がズラリと見学に訪れた中で、乾は公開授業を行った。バケツを太鼓に見立ててリズムを取り、班ごとに話し合って、かけ声と合わせながら音楽を作っていく。時間配分が上手くいかず、乾にとってはやや課題の残る結果だったものの、とても楽しい授業になった。
「子どもたちがおもしろいと思う授業をしたいと心掛けています。まだまだ反省する日も多いけど」
改めて、過去2度の採用試験を思い返してみた。他の人の模擬授業の様子を見るうちに、あれもこれも取り入れたいと焦ってしまっていた自分が見えてくる。けれども、3度目の乾は違っていた。
「あのやり方は私とは違うとか、私ならこうするとか、自分の授業スタイルがブレなかったんです。だからきっと、今年は合格できたんでしょうね」
落ち着いた目線や話し方、その堂々とした態度が、確かな成長を物語る。

職場の先生方を見習って、視野の広い教師になりたい。

日々の試行錯誤に、新学期からは教諭としての覚悟と責任も加わる。乾は、常に多方面にアンテナを張り、視野が広い教師でありたいと話す。まずは小さいことから始めていけばいい。来客には最初に気づいて声をかけるとか、印刷室の紙の補充は常にチェックしておくとか。
「職員室の中でも、普段から色々なことに気がついてすぐに動ける先生は、子どもたちに対しても反応が早いんです。職場のみなさんを尊敬しています。私もそんな先生になりたいな」
どんなときも、子どもが好きだという思いだけは変わらなかった。どこか弱気に、友だちの半歩後ろを歩いていた乾はもういない。彼女は今日も胸を張って、教室の1番前に立っている。

クラスの子どもたちと育てている金魚。名前は「きん魚」「にん魚」「ぴん魚」

約2年分のクラスだより

昨年はほぼ毎日、今年も週に1〜2回は出している。クラスだよりを手書きで作りたいというのは、講師になる前から考えていた乾のこだわりの1つ。

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