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そして、教壇へ。~彼らと教職支援センターの日々~

先生になるにはどうすればいいですか?2017

(5) 福橋 貴さん

色んな経験や職場の温かいサポートがあったから、今の自分も、やさしさいっぱいでいられる。(福橋 貴)[2014年3月 文学部教育・心理学科卒/2017年度 堺市教育委員会採用(小学校)]

「こんにちは!」と、愛嬌のある笑顔と大きな声。「先生ってこういう人」という、世間のイメージを地でゆくような福橋。現在講師として勤務している堺市の小学校でも、子どもたちに慕われ明るくクラス運営をおこなっている。
福橋が教師を志したのは、小学生の頃。クラスでいじめが起きたときに「いじめた子はアカン、でも、見ていて何も言わなかった子も悪い」と、自分たちに真剣に語りかける先生の姿に心を打たれた。はっきりと叱ってくださる姿に、「こんな人になれたらいいな」と子ども心に感じたと言う。
月日は流れ、高校3年生の進路指導のとき。「小学校の先生になりたい」と担任の先生に話すと、「先生の母校に新しい学科ができたから、行ってみるか?」と勧められたのが、大谷大学の教育・心理学科だった。

実際の教育現場で知る、学校の現実や子どもの思い。

在学中は、教職課程の勉強だけでなく、さまざまな課外活動にも意欲的に取り組んだ。東日本大震災の被災者に向けた支援活動のワークショップでは、リーダーを任された。この活動は、クロアチアの子どもたちが被災した方々へ向けて書いたメッセージを、同国の「リツィタル・ハート」という伝統民芸品をモチーフにした装飾品に込め、被災地へ送るというものだ。福橋は、参加してくれた子どもたちを取りまとめ、作り方を教えるなど大活躍。この活動を通して、子どもとの物作りの進め方、そして触れ合いの大切さを実感した。
また、2年半にわたり地元の堺市でインターンシップを経験。校務の手伝いや、子どもたちの授業フォローにあたった。「週に3回ほど通い、多様な子どもの姿に実際に触れて多くを学びました。特別支援の子どもの学習補助をしたり、不登校児に会いに行ったり。僕にとって学校は楽しいところだったけれど、教室に入れずに苦しんでいる子たちの存在をあらためて知りました」

「リツィタル・ハート」のワークショップ。心を込めて作成

短時間で集中して受験勉強。同僚の助けもあり乗り越えた試験。

さらにボランティアにも熱心に取り組んできた福橋だったが、採用試験は3年連続不合格。その間も講師として教科担当やクラス担任を務めていたが、なかなか試験に通らない苦しさで、心が折れそうにもなった。
合格を目指して早朝4時に起きて勉強していたこともあった。しかし体調を崩してしまい、そこから勉強方法を変える。学校が終わり家に帰った後、くたくたになりながらも30分から1時間の短い勉強時間を毎日継続的に確保した。学習指導要領をスマホアプリで覚えたり、先輩の先生と出かけるときは車の中で面接練習をしてもらったりもした。
ついに、4回目のチャレンジで合格。大学時代の課外活動やボランティア、常勤講師の経験が大きな勝因となった。「出題された討論のテーマは、震災時の子どもの支援。体験談を交えて積極的に意見を述べました。自分の発言に周りが共感してくれた瞬間は、大きな手応えを感じましたね。これまで経験を積んだこと、周りを見てきた自信をすべてぶつけることができました」
子どもたちからたくさんのことを学び取り、福橋はひと回り大きくなった。現役学生たちの中には、やはり新卒採用にこだわる人も多いかもしれないが、「講師として色んな経験をしてから合格するのも悪くない」と福橋。「先輩方や同僚に助けてもらった3年間。乗り切ることができたのは、職場のみんなの助けがあったから。それもまた僕の財産になりました」と力強く話す。「子どもや保護者だけでなく、同僚にも温かい声をかけられる教師に僕もなりたい!」
そんな福橋が受け持つクラスの教室の壁には、彼らしい素敵な言葉が貼られている。
「やさしく、すなお、元気」
そう、それは福橋という人物の印象そのものだ。新任地でもきっと、元気な笑顔で周りにやさしさを与え、真っ直ぐに子どもと向き合い続けることだろう。

4-2クラスのスローガン

退職された先生に作ってもらったクラスのスローガン。まずは自分が心がけるようにして子どもたちと接している。このスローガンのおかげでクラスがまとまることができた。

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