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そして、教壇へ。~彼らと教職支援センターの日々~

先生になるにはどうすればいいですか?2015

(9) 別井 皓介さん

世の中のこと、命の重さを社会科を通して伝えたい。(別井 皓介)[2011年3月 哲学科卒/2015年度堺市教育委員会採用(中学校社会科)]

ずっと、社会の先生になりたかった。だから社会科の教員免許が取得できる大学を探して、大谷大学に入学した。しかし在学中の認識は、我ながら非常に甘かったと思う。塾講師のバイトはとても楽しかったが、遊びや睡眠の誘惑に打ち勝てず、採用試験の勉強にはあまり身が入らなかったのだ。
教職支援センターへも、3年次まではなかなか足が向かなかった。理由は「怖かったから」。4年次の実習終了以降、ようやく堺市独自の試験に向けて情報収集のため、少しずつ通い始めた。
「その頃から先生が優しくなったような気が…。いや、きっと僕の意識が変わったせいですね」
結局スタートの遅れを取り戻せないまま現役合格は叶わず、1年目は講師としての働き口さえ見つからなかった。何とか介助員として支援学級の生徒たちと関わらせてもらい、その翌年から今の原山台中学校で社会科の講師に。もうすぐ3年が過ぎる。
大学生だった頃の自分を、別井は「価値があった」と振り返る。勉強は大事だが、学生の間にしかできない自由な時間の過ごし方を経験できたからだ。中学校には色々な生徒がいる。家庭環境、生活時間の違いなど、異なる側面を知らずに指導はできない。多くを見ることができた大学時代も、ちゃんと自身の糧になっている。

いつの日か思い出して欲しい。中学校で学んだ、命の重さの話を。

日々世の中に流れるのは、明るいニュースばかりではない。別井は社会の授業を始める前に、その日気になったニュースの話を生徒たちに聞かせることがある。哲学科では死生学を学んだ。人の命の重さについて、人権問題については、もっとも力が入るテーマのひとつだ。
中学生というのは、ちょうど心が育っていく途中の段階にいると言える。真剣に耳を傾ける生徒もいれば、茶化す生徒もおり、反応はそれぞれ。けれども、「絶対に今、理解させなければならない」とは考えていない。
「そういえば別井先生がそんなことを言ってたなあと、いつの日か思い出してもらえたらいい。将来それが彼らにとって、人とのつながりの中で何かを判断する材料になればと思うんです」
教育はその場で答えが出るものばかりではない。5年後でも10年後でもいい。社会科の教師として、生徒たちの心に残るメッセージを届けたい。

周囲に助けられ、悔しさをバネに実った、5度目の挑戦。

自分は生徒指導面において間違っていないと信じている。が、採用試験で面接官の前に座ると、つい不安になってしまう別井。すると今の職場の先生から、「これが正解だと思って話すより、自分の考えをきちんと伝えることが1番大切だ」と、温かいアドバイスをいただいた。
また、ここでは思わぬ出会いもあった。大谷大学の8年上の先輩、新家先生が、同じ社会科担当として赴任して来られたのだ。同じ母校同士、以来2人で組んで授業をしたり、仕事後に一緒に飲みに行ったり。教師としても先輩であり、別井には心強くありがたい存在となった。

大谷大学の先輩、新家智成先生と

採用試験は毎年受け続けた。4年連続不合格となった中でもっとも悔しかったのは、任されていた2年生のクラス担任を、学年が上がるタイミングで外されてしまったとき。中学3年生は特別な学年。別井が教諭ではなく、講師だったからだ。今年5度目の挑戦が実ったのは、周囲の先生方のおかげでもあり、あの悔しさがバネとなり奮起できたからとも言えるだろう。
「教諭になって、できることの幅がもっと広がっていくと思うんです。そのうちどこかの中学で、野球部の顧問をやるのも僕の夢なんですよ」
別井は力強く、今後を見つめて語った。

生徒がアレンジしてくれた教材

バインダーやチョークケースなど、生徒たちが文字を書いたりシールを貼ったりしてくれた。見ると楽しくなってくる、大切な宝物だ。

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