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Home > 読むページ > きょうのことば > 美なくしては、人間の生全体が不毛であろうし、どのような偉大さも時の移り変わりに耐えることはできないだろう。

きょうのことば

きょうのことば - [2012年10月]

美なくしては、人間の生全体が不毛であろうし、どのような偉大さも時の移り変わりに耐えることはできないだろう。

「美なくしては、人間の生全体が不毛であろうし、どのような偉大さも時の移り変わりに耐えることはできないだろう。」
ハンナ・アーレント「文化の危機」(『過去と未来の間』みすず書房 295頁)

 暑かった夏が終わり、芸術に親しむ秋が到来しました。芸術のなかでもとりわけ音楽は私たちに身近なものであり、美しい音楽は生活に楽しみと豊かさを与えてくれます。今日では音楽の種類はもとより、その楽しみ方も多様化し、いつでも手軽にあらゆる音楽を聴くことができます。その一方で、これだけ多様化した音楽のなかに浸っていると、このなかに時の試練に耐えうる作品がどれほどあるのだろうかと考えたくもなります。

 標記のことばに出てくる、時の移り変わりに耐える「美」とは何でしょうか。これを記した哲学者ハンナ・アーレント(1906-1975)は、ドイツ出身のユダヤ人であり、ナチスの手から逃れてアメリカに亡命し思索を続けたのですが、彼女は早いうちから「文化の消費」について警鐘を鳴らしていました。大衆文化は、大衆社会においては商品とも見なされるものであり、実際のところそのような社会が求めているものは、文化ではなく娯楽なのだとアーレントは述べます。

 空いたお腹を食べ物で満たすように、空いた時間を娯楽で満たすのが大衆文化です。そこにおいては、音楽のような芸術はその価値や美しさという尺度では評価されずに、もはや「新鮮さと目新しさ」だけで判断されるようなものになっています。大衆文化においてはひとつのものが飽きられたら、また別のものがすかさず提供されるのが常ですが、実際にはそれらの間に本質的な違いはなく、粗悪な複製や改変によって水増しされているにすぎないことをアーレントは指摘しています。

 しかし文化、特に芸術にとって「何かに役立つこと」は決定的なことではないとアーレントは述べます。芸術に対して、空いた時間を埋めるためといった「目的と手段」という観点が加わると、とたんにそれは有用性の尺度で測られるようになりますが、芸術とはそのようなものではないという主張です。芸術が存在する理由とは、個々の人間のためではなく、そこに芸術が現れる空間、人間の寿命を超えて存続していく「世界」があるからだと考えるのです。

 人間の活動は、時代や場所によって生成変化し消滅し、芸術もその例外ではありません。しかし芸術が、たんなる個人的な欲求を満たす刹那的な活動ではなく、皆がそれに触れることができるような公開されたものであることを目指すとき、アーレントはそこに「開かれているもの」としての美の意味を見いだし、その公開性としての美が芸術に永遠の価値を与えると捉えたのです。

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