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今という時間

今という時間 - [092]

「みんな夢のよう」
小谷 信千代(おだに のぶちよ)

 机の引き出しをあけると一枚のメモ用紙がでてきた。それは昨年の夏、台所のテーブルの上に残されていたのを、おもしろく思いしまっておいたものである。いま読みかえしてみてもなんとなくおかしい。それには幼さが残った文字で「まあ、まず無理やから。やるだけムダやで。血だらけになるで。やってもええけど、おばあちゃんが病院で先生に怒られるだけやで」と書かれている。
  娘が耳のとおい私の母に書いたものである。痴呆症がすすんでいた母は、どこかでころんだのであろう、本人も気づかぬ うちに左腕を骨折していた。病院でギブスをはめてもらったが、しばらくすると、もう治ったので、はずしてくれと言い始めた。暑さで蒸せて気持がわるかったのであろう。家族の者が何度話して聞かせても納得せず、かたくなに同じ要求を繰り返した。
 いくら頼んでも願いが聞き入れられないことに業をにやした母はある日、ギブスを水でぬ らして柔らかくし鋏をさがし出してきて自分で切り始めた。それに気づいた娘が母に注意をしたが彼女はやめなかった。台所で言い争う声が私の部屋にまで聞こえていたがやがて静かになった。しばらくして行ってみると母は何くわぬ 顔でテレビを見ており、テーブルの上に娘のメモが置かれていたのであった。
 母は毎日わが家に問題を引きおこす。しかし一つ一つの事件は過ぎ去ると夢のように思われる。

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