2009/04/28
御命日勤行・講話
今年度に入って初めての親鸞聖人の御命日勤行が勤められました。全員で「正信偈」を唱和したあと、「親鸞聖人との出会い」というテーマで2名の学生が感話を行いました。今まで気づかなかったことが、本学に入学し親鸞聖人の教えに触れて気づくようになったこと、親鸞聖人の教える「救い」というものに実感がわかなかったが、結婚を機にそのような場面に出会ったことなどについてお話しいただきました。
また、本学の教授である番場寛先生が「欲望について—ジャック・ラカンから学んだこと」という題で講話をされました。「人間の欲望は<他者>の欲望である」という定式で示される欲望が何であるかを、ジャック・ラカンの「欲望のグラフ」と呼ばれる図式をホワイトボードに描きながら解説していただきました。欲望とは一般的には悪くとらえられがちであるが、実際は欲望というものは生きるための根源であるということや、『教行信証』に見られる「帰命」という二文字の解釈に、主体が「シニフィアンの宝庫」としての<他者>に出会い、「欲望」を顕現させているさまを読み取れるということを、フランスで受けた自身の精神分析の経験と合わせてお話ししていただきました。