幅広く社会のことを学びたいと思って入学してきた鈴木さんは、コロナ禍で様々な制限を受けながらも、積極的に大学生活を楽しもうと活動しています。こんな時期だからと、できるだけ他の学生と関われるように配慮してくれる先生の授業は、自分の頭できちんと考えなければいけないことも多く、とても刺激になっています。目の前にある課題に対して社会学的にアプローチしていく方法は面白く、今後の勉強にも知的好奇心をそそられています。

02 コロナ禍に押しつぶされない学生生活

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田中:入学前に得ていた印象と、実際に入ってみてからのギャップはありましたか?
 
鈴木:そうですね……。驚いたこととかはそんなになくてイメージ通りでしたけど、学内にもコンビニがあるんだなと思いました。便利ですね(笑)。
 
田中:学生生活はどんな感じ?
鈴木:結構対面授業が増えたので順調です。オンライン授業だと「どうせレポートの課題が出るんやろ」って思ってダルくなってしまうんですよ。それでレポートも溜めちゃってまた嫌になったり。だからやっぱり大学に来て授業を受けてる方が良いですね。
 
田中:学生にもいろんな人がいて、オンデマンドのオンライン授業の方が、自分のやりたいときにやればいいから都合が良いっていう人もいるんだけどね。
 
鈴木:でも他の大学に行った友達に聞くと、後期もずっとオンライン授業が続いてて、発言しにくいって言ってました。画面上とはいえ、何かを言うにしても1人対全員なので言いにくいって。全員が自分を見てるわけですから。
 
田中:それは確かに話しにくいね。対面授業というのは、人と会ってコロナ感染を広げるかもしれないというリスクを抱えてるんだけど、大谷大学は授業のあり方にこだわって対面授業を実施したんです。まあ少人数だからできるということもありますけど。サークルには入ってる?
 
鈴木:学外のサークルに入ってます。入学式と若葉祭のときの新歓イベントで声をかけてもらって入りました。公園でケイドロとかを本気になってやります。それが逆に楽しいんですよね。小学生の頃に戻ってドッジボールやったり、夏になったら水風船で遊んだり、文化会館を借りてバレーボールをやったりとか。どれもすごく楽しいです。
田中:いいね。そういう企画はどうやって決まるの?誰かが提案したら、みんなで「いいね」って言って決める感じ?
 
鈴木:そうです。上級生が音頭を取ってくれて。
 
田中:じゃあ上級生にも知り合いがいる?
 
鈴木:はい。上とのつながりも横とのつながりもできました。先輩の話を聞くと、今の2年生は去年、全くサークル活動が出来なかったって言ってたので、今年は活動できてありがたいです。
 
田中:今年になって少しずつコロナ禍以前のように戻ってきつつあるっていうのは嬉しいよね。
 
鈴木:はい。特に高校生から大学生になる時って、大学生活へのあこがれとか期待感があるじゃないですか。サークルに入って楽しみたい、とか。だから人と会える機会っていうのは大事ですね。この前も学祭がありましたけど、大学生になったら他の大学の友達とかを呼んで自分の大学生活を紹介したいとか、地域の人たちにも来てもらって大きなイベントを楽しみたいとか思ってたんですけど、それがコロナのために学内者限定になったので残念でした。
田中:そうだよね。そういうつながりって、努力してつないでいかないと途切れちゃうものだからね。私の専門は文化人類学なんだけど、ずっとつながってきた祭りがコロナ禍で途絶えてしまって、今後どういう風に継承していくのかとかが話題になってるから、学生のサークル活動の継続についても、問題意識として持っているんですよ。大学側がサークル活動に関してどこまで関与するかはわからないですけどね。
 
鈴木:活動して感染してニュースで取り上げられたりしたらマイナスですしね。
 
田中:そうなんだよね。でもそういう状況に押しつぶされてしまってないっていうのが救いだよね。まあ鈴木さんのパーソナリティによるところが大きいのかもしれないけど、わりと1年生は元気があるように見えるし。夏休み明けたら金髪になってた子とかもいるから、コロナ禍でもみんなわりと自由にできてるんだなって思ってほっとしたんですけどね。

PROFILEプロフィール

  • 田中 正隆

    社会学部 現代社会学科 准教授



    2002年 一橋大学大学院社会学研究科 博士学位(社会学)取得修了、2003年 国士舘大学政経学部非常勤講師、2005年 高千穂大学教養部助教授、2007年 高千穂大学人間科学部准教授 を経て、2017年 大谷大学文学部社会学科准教授。
    アフリカはベナンという国で人類学的調査を始め、地域社会のミクロな視点から現代西アフリカのマクロな政治、経済変動をみすえる研究へと広げてきた。親族にもとづく社会構造と文化要素である在来信仰ブードゥの関連を調べながら、そこにおけるモノ=物質の位置づけに焦点をあてた。それは、いま社会科学で議論をよんでいるモダニティ、グロバリゼーション、市民社会、デモクラシーといった諸概念とも深く関わっており、私の調査地での具体的な事例にてらしてこれらの現象を再検討している。



  • 大学のホームページやパンフレットで情報を細かく確認し、オープンキャンパスにも参加。大谷大学ならしっかり学べそうだと思い、受験した。現代社会学科を選んだのは、幅広く社会のことを学びたいと思ったため。
    学外サークルに参加したりアルバイトをしたりと、積極的に大学生活を楽しむ一方で、授業では自分の頭できちんと考えなければいけないことも多く、とても刺激になっている。目の前にある課題に対して社会学的にアプローチしていく方法は面白く、今後の勉強にも知的好奇心をそそられている。