小さい頃から勉強の優劣を点数で決められることに抵抗を感じていた青山さんは、4年間しっかり勉強ができる場として、自分のことを見つめ直せる哲学科を選びました。大学での学びはとても刺激的で、今までの人生で今が一番、勉強が楽しいと言います。哲学科の学びは人と話すことなしには成り立たないと思う一方で、自分の思いを言葉に出して表現することの難しさを感じてもいます。今を大事に、一歩ずつ「哲学している」毎日です。

05 文法は、近道を教えてくれている

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藤枝:他の授業はどう?
 
青山:語学は全般的に苦手です。第二外国語はドイツ語を取ってるんですけど、初めての人が多いから、自分でも何とかなるんです。でも英語に関しては本当に苦手で、基本も全然できてないんですよ。
 
藤枝:2年生になったら英語の論文を読んでいく授業もあるんだけどね。英語のどの辺が苦手?
 
青山:文法です。
 
藤枝:ドイツ語でも文法を教わってると思うんだけど、どう?
 
青山:「ここは英語と同じだよ」っていう説明があるんですけど、「え、英語ってこうだった?」って友達にめっちゃ聞いてます(笑)。
 
藤枝:なるほど。文法って実は、言語習得への近道を教えてくれる魔法のルールなんだよね。外国語として勉強する人は、近道を学ぶって考えると少し考え方が変わるかもしれない。ルールを最初から教えてくれるんだよ。
 
青山:近道なんて考えたことなかったです。入学してから、哲学の勉強にも語学が必要って知って、めっちゃ「間違えたかも」って思ったんですけど(笑)。「この言葉は英語ではこういうんですよ」っていう言い方で説明したりするじゃないですか。
藤枝:なんで他の言葉で説明したりするんだと思う?
 
青山:1つの視点からになっちゃうからですよね?別の言語で見ることによって、捉え方に幅が出るとか……。
 
藤枝:日本語だけで考えると、かえって難しくなるってこともあるのでね。元の哲学者が言ったことはこうだった、ってことでも、いろんな含みがあるからね。また2年生になったら、そこを含めて、英語の総ざらいをしながら英語の文献を読めるようにしていくので、遠回りではなく、実は近道なんだと思ってやってみて。
 
青山:頑張ります。なんかちょっと気が楽になりました。
 
藤枝:英語以外の言葉を勉強するのって、すごく重要なんですよ。世界観も全然違うし。英語とドイツ語を習得してるなら、ヨーロッパの言葉って共通点も少なくないから、興味があったらどんどん手を出してみればいい。語学って、たくさんやるとどれもが薄まって身につかない、っていうわけじゃなくて、その逆で、フランス語をやると英語とドイツ語の理解にも役に立つって感じだから、たくさんやると良いと思いますよ。

PROFILEプロフィール

  • 藤枝 真

    文学部 哲学科 教授



    1996年早稲田大学第一文学部哲学専修卒業。2001年大谷大学大学院博士後期課程哲学専攻満期退学。2004年博士(文学)。大谷大学任期制助手、京都光華女子大学・近畿大学・大谷大学・滋賀大学・大阪教育大学非常勤講師を経て、2005年に大谷大学文学部専任講師、2009年准教授。
    “科学が世界の在り方や人間の生を解明する”という現代にあって、なぜ宗教はいまだに存在し、そのような問題について関与し続けているのだろうか。様々な宗教がそれぞれ独自のことばを持つこと、そしてそのことばで語ることの意味について、また、宗教が社会で果たすべき倫理的責任について、キェルケゴール、ウィトゲンシュタイン、デリダなどを参照しつつ研究をすすめている。



  • 小さい頃から勉強の優劣を点数で決められることに抵抗を感じていた。いろいろ迷った末、さまざまな宗教について学べて、自分のことを見つめ直せる学問分野を探し、大谷大学の哲学科を選んだ。
    哲学科の学びは人と話すことなしには成り立たないと思う一方で、自分の思いを言葉に出して表現することの難しさを感じてもいる。高校生の頃から続けている茶華道のお稽古、アルバイト、映画研究部での活動、と充実した日々を送りながら、今を大事に、一歩ずつ「哲学」している。