小さい頃から勉強の優劣を点数で決められることに抵抗を感じていた青山さんは、4年間しっかり勉強ができる場として、自分のことを見つめ直せる哲学科を選びました。大学での学びはとても刺激的で、今までの人生で今が一番、勉強が楽しいと言います。哲学科の学びは人と話すことなしには成り立たないと思う一方で、自分の思いを言葉に出して表現することの難しさを感じてもいます。今を大事に、一歩ずつ「哲学している」毎日です。

03 いろいろ迷って、考えられる哲学科を選んだ

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藤枝:どうして大谷大学を受験したんですか?
 
青山:高校までは、大学では心理学をやりたいと思ってたんですけど、本当に4年間勉強したいと思えることは何だって考え直したときに、宗教学に興味が出てきたんです。でもすべての宗教を平等に勉強できるところは少なくて。それでインターネットで調べてたら、哲学科の中の宗教学という分野で学べるって感じだったので、哲学科に行ったらいいのかと思って。それから京都方面の大学に進学したかったので、ここになりました。
藤枝:哲学という大きな学問分野の中に含まれる領域として、宗教学が本学ではコースとして設けられていますね。いろんな宗教について勉強したかったのか。
 
青山:そうだったんですけど、だんだん自分のことがわからなくなってきて、自分が何をしたら喜ぶのかとかもわからなくなってきて、今度はそれを勉強しようと思って。哲学科だったら宗教学も学べるし、自分のことも考えられるのかと思って、総合的に見たら哲学科が一番だと思いました。
 
藤枝:考えてるうちにわからなくなっちゃったという感じか。でも考えることについて考えるんだということで哲学科に進学する人もいるからね。いろいろ迷って、良い選択をしたと思いますよ。入試はどんな方式で?
 
青山:一般入試です。3教科受験でした。
 
藤枝:じゃあ勉強が苦手と言いながら、高校の最後まで頑張ってたんですね。
 
青山:でも合格点が公開されるじゃないですか。私、最低点の2点上だったんですよ(笑)。
 
藤枝:まあ、たとえ何点でも、合格者のうちの最低点を上回って合格しているのだから、いいんだけどね(笑)。いろんな入試の方法があるから、自分の得意な方法でやってくれればいいんだけど、一般入試で最後まで高校生の勉強を頑張った人は、大学でも頑張れると思いますよ。1年生のゼミを見てて、もっとも哲学の議論に積極的に食いついてきたのが青山さんだったし。大学に入ってきて、授業を全力で受けてるってことは強く感じられますよ。オープンキャンパスには来た?
青山:1回来ました。でも私、遅刻魔なんですよ。だから哲学科の模擬授業は遅刻して聞けませんでした。その後に個別に相談ブースに行って、話を聞いてもらいましたけど。
 
藤枝:そうなんだ。でも授業にはあんまり遅れないよね?
 
青山:後期になって少し遅れることがありますね……。何時に家を出るっていう計画はちゃんと立ててるんですけど、やってるうちにこれもあれも、ってなっちゃって。それで「これくらいの時間なら大丈夫だろう」って思ってるんですけど、どうも遅れてしまって……。
 
藤枝:そうか。講義だったら誰が遅刻しようが成立はするんだけど、ゼミは、学生が出てきて、思ったことを発言して初めて成り立つのでね。学生が主役なので、まあ、遅れない方がいいですね。
 
青山:はい。遅刻しないように頑張ります。

PROFILEプロフィール

  • 藤枝 真

    文学部 哲学科 教授



    1996年早稲田大学第一文学部哲学専修卒業。2001年大谷大学大学院博士後期課程哲学専攻満期退学。2004年博士(文学)。大谷大学任期制助手、京都光華女子大学・近畿大学・大谷大学・滋賀大学・大阪教育大学非常勤講師を経て、2005年に大谷大学文学部専任講師、2009年准教授。
    “科学が世界の在り方や人間の生を解明する”という現代にあって、なぜ宗教はいまだに存在し、そのような問題について関与し続けているのだろうか。様々な宗教がそれぞれ独自のことばを持つこと、そしてそのことばで語ることの意味について、また、宗教が社会で果たすべき倫理的責任について、キェルケゴール、ウィトゲンシュタイン、デリダなどを参照しつつ研究をすすめている。



  • 小さい頃から勉強の優劣を点数で決められることに抵抗を感じていた。いろいろ迷った末、さまざまな宗教について学べて、自分のことを見つめ直せる学問分野を探し、大谷大学の哲学科を選んだ。
    哲学科の学びは人と話すことなしには成り立たないと思う一方で、自分の思いを言葉に出して表現することの難しさを感じてもいる。高校生の頃から続けている茶華道のお稽古、アルバイト、映画研究部での活動、と充実した日々を送りながら、今を大事に、一歩ずつ「哲学」している。