好きなことに全力で向き合う松田さんは、今は韓国に魅力を感じています。文化から始まった興味も、歴史や政治にまで関心が広がるようになりました。留学を前に自分を奮い立たせて、できる限りの準備をしていこうと考えています。応援してくれる友達や先輩に支えられ、留学経験者である先生の「自分で自分を押してやることが大事」というアドバイスのもと、いろんなものを見て来ようと張り切っています。

04 ‏ひとつを極めたら、世界が広がる

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喜多:語学がきっかけとなって広い世界が見えてきたっていうことだと思うんですけど、これまで頑張ってきたことや、自分はこういう人間だって言えるようなことはありますか?
 
松田:中学・高校とソフトテニスをしていたんですけど、チームメイトに上手な人がいて、その人たちと同じレベルで戦いたいっていう気持ちがあって、中学生からずっとテニス漬けの毎日でした。私の性格上、好きなものにはまり込むっていう感じで、勝ちたいっていう思いがあったので、毎日練習して、中学では四国大会までいきました。私が県で一番練習したって思えるくらい練習してたので、その甲斐あってか高校では、インターハイにも2回出場できました。全国レベルでは全然ダメだったんですけど、それが一番頑張ったって言えることです。
 
喜多:すごいね。じゃあ努力することを楽しめる人なんですね。松田さんの頑張りのもとを見たような気がします。留学したってことも、大きな自信になると思いますよ。これまで外国には?
 
松田:韓国とシンガポールに家族と、そして親戚の人と一緒に台湾に行きました。現地に住んでいる親戚の知人と一緒に旅行したんですけど、その時に、日本人とは考え方が違うなって感じました。その人は親がお金持ちで、親が稼いでくれるから自分は働かなくていいって言ってました。日本でそんなこと言ったら、変に思われるじゃないですか。でもその人は全然変な感じで話してなくて。
 
喜多:似てるようで違いますよね。そういう違いはおもしろいですよね。そういういろいろな価値観に触れたいっていう思いがあるのかな。韓国に留学した後は何か考えてる?
 
松田:旅行に連れて行ってもらったときに、私はすごくちっちゃなところで生きてきたなって感じて、もっといろんな世界を知りたいと思いました。韓国以外の国にも行ってみたいですし、いろんな人と触れ合って、新しい考え方とかを吸収したいなっていう気持ちはあります。
 
喜多:具体的な将来の仕事は考えてる?
 
松田:台湾に行った時に、バナナの味が全然違ってすごくおいしかったんです。本当に感動して、このバナナを日本にいる家族に食べさせたいって思って、バイヤーっていう仕事をしたいなって思いました。外国と日本をつなぐ役割をしたくて、日本にはないけど外国にはある良い物を日本の人に知ってもらいたいっていう思いがあります。物で国と国をつなぐっていいなって思います。
 
喜多:外国の良いところを紹介する仕事って、面白いですよね。いろんな体験が松田さんを創り上げていくと思うんですが、どういった20代を過ごしたいですか?
 
松田:いろんな世界を見たいです。大学生になったら旅行をしまくろうと思ってたんですけど、コロナ禍でできない状況なので、外国と関われる仕事に就けたらいいなって思ってて。自分の目でいろんなものを見たいです。
 
喜多:私の経験ですが、韓国が縁になってアメリカの学会で発表することになったりしたので、松田さんにも今後思わぬ世界が広がっていくと思いますよ。韓国のことをやってると「まずは英語じゃないの?」とか「これからは中国でしょ」とかいろいろ言われたんですが、ひとつのことを極めていくと、その先にさらなる可能性が待っているので、くじけずにいろんな体験をしてほしいです。そのための準備期間として大学生活を大事にしていってほしいなと思います。
 

PROFILEプロフィール

  • 喜多 恵美子

    国際学部 国際文化学科 教授



    京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位取得退学。大韓民国弘益大学校大学院美術史学科博士課程修了(論文資格試験合格)人間・環境学修士。2005年、大谷大学文学部国際文化学科着任。
    近代西欧の概念である「美術」が非西欧社会でいかに受容されていったのかについて関心を持っている。一口に受容といっても、ここでは無批判的な追従を意味するのではなく、美術というシステムがいかにして当該社会に有用な形に咀嚼され汲み上げられていったのか、その過程をさしている。方法論としては日本と朝鮮(韓国)における近現代美術の比較分析を行っているが、文化的に似ていると考えられがちな日本と朝鮮(韓国)においてさえ美術に対するアプローチのありかたはかなり異なったものとなっている。そこから翻って日本と朝鮮(韓国)における「美術」や「近代」の意味を浮き彫りにしたいと考えている。



  • 中学生の頃に韓国のアイドルグループの曲を聴いたことがきっかけで、独学で韓国・朝鮮語を学び始めた。以降、韓国のファッションなど文化に興味を持ち、最近は歴史や政治にまで関心が広がるようになった。
    大谷大学に入学し、語学学習支援室(GLOBAL SQUARE)のアシスタントをしながら留学に向けて学びを深めている。20代のうちにいろんな世界を見て、将来は外国と日本をつなぐ役割ができる仕事に就きたいと考えている。