谷大の幼教では実践的な活動ができると期待していた小谷さんは、コロナ禍で活動が制限されても、思いのほか授業を楽しんでいます。学ぶことが全て実際の幼児教育につながっていくことがわかる感覚が面白く、手遊びや読み聞かせにも熱が入ります。学生同士や、先生との距離も近い幼教の雰囲気が大好きで、4年という時間をフルに使って、保護者にも信頼される保育者になるために日々前進しています。

04 子どもに笑われてもいい度胸をつける

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冨岡:実技系の科目も始まってる?
 
小谷:はい。音楽も図工も。私は1回やり始めたら没頭しちゃうタイプなので、家でもスケッチブックをずっと作ってますね。
 
冨岡:あれはいいよね。じゃあ制作は好きなんだ。ピアノはどう?
 
小谷:……頑張ってます。
 
冨岡:そうか(笑)。まあ、頑張ってるんならいいよね。得意不得意はあっていいんだよ。自分が嫌いだからって全くやらないっていうのはナシだけど、苦手でもいいから楽しめると良いよね。音楽って楽しいっていう気持ちを、子どもたちと一緒に持てたらいいよね。これは僕の考えだけど、ピアノが弾けなかったら、子どもたちに笑われたらいいんだよ。「うわ、先生下手くそー」って言われても全然いいと思う。なんでかって言うと、先生が下手だったら、子どもって逆に一生懸命歌ってくれるんだよ。先生が下手だから自分たちが一生懸命歌わなきゃ、って思ってくれるんだよ。ただ、笑われる度胸がなかなかつかないんだけどね(笑)。実習についてはどう?
小谷:部分実習を任される時が怖いなって思ってて。でも楽しみではあります。
 
冨岡:部分実習をやる時って、やっぱり不安だよね。その度胸をつけるために今度の「青空広場」があるんですよ。実はあれは「実践体験活動演習」っていう科目の授業なんだけど、実習に行く前にいろんな取り組みをしましょうっていうことで、部分実習の時の度胸をつけるためにある。通常であれば週に1回、保育の現場に出て行ってるんですけど、今はこういう状況なのでね。みんなで園には行けないですけど、鴨川とか公園とか京都御所のあたりとか、いくつかの場所に分散して、学生たちがポスターを作って、近隣の園に「今度こういうことをやるので遊びに来てください」っていう取り組みをやるんです。
 
小谷:内容は何でもいいんですか?
 
冨岡:もちろん。紙芝居とかお話とかね。散歩がてら来てもらうっていうのが青空広場です。実習に行くと子どもたちの前でいろんなことをしないといけないので、ちょっとでもそういう経験をしておいてもらおうと思ってね。現場に対する度胸を少しずつつけていきたい。子どもがいる前で何かをやるのって、初めての場合は結構緊張するのでね。まあまだ1年生やから、前に立つグループと、それを園児の立場になって見るグループの2つに分かれてやるんだけど。お客さんの目で見てくれる人がいるっていうのは貴重だよ。温かい目で見てくれるから。
小谷:温かいですかね……?
 
冨岡:多分ね(笑)。その記録も取っていくんですが、それを積み重ねていくと、実習の時も実習簿がすんなり書けるようになるんですよ。

PROFILEプロフィール

  • 冨岡 量秀

    教育学部 教育学科 教授



    1967年東京都生まれ。日本大学大学院理工学研究科博士前期課程修了(工学修士)。大谷大学大学院文学研究科博士前期課程修了(文学修士)。聖和大学大学院教育学研究科博士前期課程修了(教育学修士)。大谷大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)号取得。1991年~2000年株式会社フジタ 建築本部企画設計部/環境計画部、2002年~2004年大谷大学真宗総合研究所研究補助員、2005年~2006年聖和大学嘱託助手、2007年~2009年大谷大学任期制助教、2013年大谷大学短期大学部准教授、2017年大谷大学短期大学部教授、2018年大谷大学教育学部教育学科教授、現在に至る。
    真宗保育(真宗に立った保育)と保育内容・環境への研究を展開している。真宗保育は、子どもたち一人ひとりが等しく輝き、人生を豊かで意義あるものとして生き切ってほしいと願い、その人生の歩みを支える、ほんとうの「生きる力」の獲得の原風景となることをめざす保育実践である。そして子どもを育む原風景となる環境づくりを課題としている。



  • 両親が保育関係の仕事をしていることから、小学生の頃から夢は保育者だった。高2の時に「幼児教育しか考えられない」と志望大学を探し始め、先生に薦められた大谷大学を受検した。
    大谷大学の幼教の特徴である実践的な活動も、コロナ禍で制限されたが、思いのほか授業や大学生活を楽しんでいる。課外でも子どもと関わるサークルに入り、先輩から手遊びを教えてもらうなど、授業やサークルで学ぶことが全て実際の幼児教育につながっていくことがわかる感覚が面白く、4年という時間をフルに使って、保護者にも信頼される保育者になるために日々前進している。