通学に時間がかかる大学を「面倒くさい」とも思わずに、毎日楽し気に通って来る青山君が社会学部に入学した決め手は、間口が広かったから。将来の夢が定まらないうちは、様々なことを学べる社会学部で知見を広げるつもりです。コロナ禍での授業に戸惑うこともありましたが、持ち前のおおらかさで友達と助け合って乗り切ってきました。研究は「できることではなく、好きなことから始める」とのアドバイスを受け、今後についてじっくり考えていくつもりです。

06 フィールドに出て考える授業が面白い

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脇中:面白い授業は?
 
青山:そうですね……。何かな……。
 
脇中:……なかなか出てこないですね(笑)。
 
青山:いえ(笑)。後期の「社会学特殊演習」です。明後日発表なんですけど、フィールド調査に出て、京セラ美術館を盛り上げようっていう企画で。京セラ美術館のテラスには屋根がなくて雨の日はびしょびしょになるので、うちのグループはそこに屋根をつけようっていうことになって。その資金を得るためにどうするかっていう企画を立てました。具体的にはインスタ広告を使うっていう提案なんですけど、Youtube広告とかテレビ広告って、月に100万円くらいするんですよ。インスタ広告なら1日100円から始められるので、それでいこうと。しかも半径30キロ以内とか範囲も選べるので、格安でできるんですよ。場所の広告っていうのはインスタ広告では今までなかったので、初めての試みです。その企画を僕らが提案するっていう内容です。
脇中:なるほど。フィールド調査は面白い?
 
青山:はい。僕はそういうの結構好きです。
 
脇中:やっぱり教室で授業を聞いてるよりそっちの方がいいのかな。
 
青山:そうですね。しゃべってる方が。
 
脇中:私の授業では、まず自分が興味のある事柄の中からテーマを出して、社会学の領域につながる問題について、皆に問いかけてくださいという課題にしたんだよね。「安楽死」や「死刑制度」などの重たいテーマにした人もいたし、「ジョギング中にマスクをすべきかどうか」っていうような新型コロナウイルスにまつわるテーマも多かったね。青山君は当初「結婚すべきか、すべきでないか」っていうテーマだったね。最初は個人的な趣味の問題で社会学のテーマと言えるんだろうかと思ったけれど、若者全般を見てみると今は晩婚化も進んでるし、結婚しない人も多くなってきてるから、社会学のテーマとして扱えるかなと。青山君はどっち派だった?
青山:僕はした方がいいかなって。

PROFILEプロフィール

  • 脇中 洋

    社会学部現代社会学科 教授



    1959年東京生まれ。京都大学農学部を経て、1996年立命館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。1999年花園大学講師、2002年同助教授、2006年教授。2008年より大谷大学教授、現在に至る。臨床心理士、保育士。
    「コミュニケーションの発達的変容」を研究テーマとして、以下の個別課題に取り組んでいる。「乳児の初期コミュニケーションの生成と変容」「発達障害児や聾児の対人コミュニケーション」「取調べにおける供述分析」「高次脳機能障害者のピアサポートによる自己の再構築」「犯罪加害者の更生」。いずれの課題も、「ヒトはどこまで変わりうるのか」の探求を目指している。



  • 高校2年の頃は経済学部や経営学部のある大学を考えていたが、社会学部に入学した決め手は「間口が広かったから」。コロナ禍での授業に戸惑うこともあったが、持ち前のおおらかさで友達と助け合って乗り切ってきた。
    将来の夢が定まらないうちは、様々なことを学べる社会学部で知見を広げようと考えている。また研究は「できることではなく、好きなことから始める」とのアドバイスを受け、今後についてじっくり考えていくつもりだ。