サッカーや小説をきっかけに、文学や歴史にも広く関心を持ってきた八田さんは、大学で受ける授業を通して、今まで「知らなかった」ことがとても面白く感じられ、どんどん知識を吸収しています。のめりこむほど面白い授業がある一方、人見知りのため、なかなか先生に話しに行けないという一面も。幅広い関心と持ち前の向学心をさらに燃やして、目の前に広がる世界の探究に出かけます。

07 読むのも書くのも好き

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浅若:2年生からは韓国のゼミに?
 
八田:はい、入りたいです。でもゼミがどんな風になるのかが全然想像できなくて。ゼミではどんなことをしますか?
 
浅若:テーマを与えてそれについて調べて発表したり、自分の関心のあるテーマについて取り上げたり。僕のゼミではテーマもみんな結構バラバラですね。
 
八田:一番記憶に残ってる発表ってどんなのですか?
 
浅若:「国際文化演習」では、イギリスのEU離脱の話。あれは結構しっかり調べてあったな。それから、お酒に興味があって、ものすごくマニアックなイギリスのウィスキーの話をした人もいましたね。教室に実物を持って来て見せてくれたよ。あと卒論では『ナルニア国物語』を取り上げた人もいました。優秀作品として推薦した論文なんだけど、『ナルニア国物語』の中にはキリスト教の要素があって、聖書の中に出てくるエピソードを紹介したりする論文でしたね。
八田:本を題材にして論文を書くって、思想的なことを書く方が多いんですか?
 
浅若:『ナルニア国物語』の論文については、作者のキリスト教観みたいなものでしたね。あるいは、当時の歴史的な背景について調べたりとか。
 
八田:本から学ぶ時代背景みたいなのは多いですよね。
 
浅若:今とは時代が違うからね。「なんでこの人はこんなことを言ってるんだろう」っていうのを読み解いていくとかね。そういうのが好き?
 
八田:好きです。日本の古典文学をやりたいと思ってた時期もあって。和歌、特に仮名ができ始めたころに作られた和歌が好きで。高校の国語の先生が授業で書道も教えてくださってて、百人一首とかのいろんな作品を書いてるときに、素敵だなって思って。
 
浅若:書道もやってたんだ。どんなの書いてたの?
 
八田:唐の時代に四大家と呼ばれる書家がいるんですけど、その人たちの作品を書いたりとか。今はもう見るだけになっちゃいましたけど、この字が日本に伝わってきてこの字になって、とか、すごく面白くて、もう一度授業を受けたいなって思います。それに、字って、人の個性が出るじゃないですか。きれいとか汚いとかじゃなくて、個性的な字を見るのが好きです。よく変人って言われますけど(笑)。

PROFILEプロフィール

  • 浅若 裕彦

    文学部国際文化学科 教授



    1995年京都大学文学研究科博士後期課程単位取得退学。文学修士。1996年大谷大学専任講師。2002年大谷大学助教授。2007年大谷大学准教授。
    英語小説に用いられる様々な技法、中でも自由間接話法とその表現効果に関心を持っている。自由間接話法の発達の歴史の中でよく言及されるのが、イギリスの作家ジェーン・オースティンだ。この技法自体はオースティンよりずっと古い時代から存在していたが、彼女はしばしばパイオニア的存在として扱われる。彼女がこの技法の発達の過程で果たした役割について、さらに考えていきたい。



  • サッカーをきっかけに中学生の頃から韓国語に興味を持ち、高校生の頃には小説をきっかけに文学や歴史にも関心を持ってきた。高校の時に先輩に勧められた授業で大谷大学を知り、受験。大学で受ける授業を通して、今まで「知らなかった」ことがとても面白く感じられ、どんどん知識を吸収している。
    のめりこむほど面白い授業がある一方、人見知りのため、なかなか先生に話しに行けないという一面も。幅広い関心と持ち前の向学心をさらに燃やして、目の前に広がる世界の探究に出かける。