話し慣れしている小川君は、人と気軽にコミュニケーションを取ることができます。授業はどれも面白いと言いますが、その中でも特に、もっと聞きたいと思う授業の場合は、積極的に先生の研究室に出かけていき、授業以外の場でもたくさんのことを吸収しています。過去を学ぶ過程では、歴史上の人物が実際に扱ったものに触れる機会もあります。机上の勉強だけではない多様な学びの中で、将来は歴史の先生になりたいという夢をより具体的に描いています。

05 歴史に興味を持ってもらえるような先生になりたい

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國賀:先生になりたいってことなんですが、教師を志したきっかけは?
 
小川:僕のおじいちゃんが高校の先生だったんですけど、自宅で個人塾を開いてて、留学生に日本語を教えたりしてて。そういう様子を小さい頃から見ていたので、ひとつのきっかけとしては、おじいちゃんの仕事が教師だったっていうのはあるかなと思います。もうひとつは、高校の担任の先生が非常に楽しそうだったんですよ。こんなに毎日楽しく仕事ができたら、退職するときに悔いなく生活を過ごせそうだな、この先生のようになりたいなと思って。
 
國賀:大学で得たことを、どんな風に自分の教え子たちに還元していきたいですか?
 
小川:教科書や資料集だけじゃなくて、実際に博物館とかを訪れて、資料(史料)に触れながら教えていけたらいいなと思います。やはり大学の授業を受けてて思ったのが、教科書を読んで暗記するっていう勉強の仕方もあると思うんですけど、実際に訪れて、この資料(史料)が書かれたからこれにつながったとか、これがあったからこの社会的な状況につながっていったとか、教科書に書かれていることからだけでなく、現物から教えていけたらいいなと思います。歴史が苦手な人って、中学、高校時代も僕のまわりにも多かったので、一人でも多くの生徒が「歴史が楽しかった」とか、僕の授業を聞いて、歴史に興味を持ってもらえるような授業をしたいと思います。
國賀:素晴らしいですね。受験の日本史はどうしても暗記になりがちで、そのしんどさで嫌いになっちゃう子も多いと思うんですけど、そうじゃなくて生の歴史の面白さに触れてもらうっていうのは良いですね。入学前も、博物館にも結構行ったりする方だったんですか?
 
小川:そうですね。おじいちゃんの影響で、博物館以外にもいろいろと行ってました。
 
國賀:今はコロナ禍でなかなか行けなかったりしますけど、大学に入ってからはどこか行けました?
 
小川:二条城とか京都御所とか、京都国立博物館にも行きました。史料を見に行かなければいけないことがあったので、中之島(大阪)の図書館にも行ったりしました。
 
國賀:そういうことはすごく大事ですね。やっぱり博物館には、大学では体験できないような生の資料(史料)を扱ってきている学芸員さんもいらっしゃるのでね。そのものを扱えるってことは素晴らしいことですし。学芸員資格は取らない?
 
小川:僕は教職一本でいこうかなと思っています。大学では歴史についての専門性を学んで、卒業後は大学院に行って、教育についての専門性を深めていった上で、学校現場に立ちたいなと思っています。
 
國賀:そこまで考えてるんですね。
 
小川:はい、ある程度は考えておいた方がいいのかなと、いろいろな先生たちの話を聞いて思ったので。教師になりたいっていう人って、地方公務員になりたいって人が多いと思うんですよ。でも僕は私立で働きたくて。
 
國賀:へえ、なんで?
 
小川:私立が公立と違うところって、授業に対しての自由さ、自分のやりたいように進められるっていうイメージがあるので、そこが魅力だなと思っています。「この先生の授業が楽しい」と思ってもらえるような授業をしていきたいと思っていて、そういう経験ができるのって私立かなと思ったので、僕は私立で働きたいなと思います。

PROFILEプロフィール

  • 國賀 由美子

    文学部歴史学科 教授



    大阪府生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。文学修士。1988年滋賀県立近代美術館学芸員、同主任学芸員、同専門学芸員を経て、2017年大谷大学文学部教授。
    平安末の後白河院政期を中心に、美術、とくに絵画作品から読み取れる歴史事象を考察してきた。また、美術館に在職してからは幅広い年代のものを対象に、まず作品を観て分析し、作品そのものが語ってくれる多くの事実を拾い上げられるよう努めてきた。中世絵巻物、そして近世から近代に至る「やまと絵」を中心に、なぜその作品は制作されたのか?を問い続けて行きたい。



  • 小学生の頃に買ってもらった本がきっかけで歴史に興味を持ち始める。高校の時に生徒会長をしていたこともあり、人と気軽にコミュニケーションを取ることができる。教師をしていた祖父や、高校の時の担任の先生に憧れて、将来は高校の社会科教員になる夢を叶えるため、大谷大学を選んだ。
    大学の授業はどれも面白く、もっと聞きたいと思う授業の場合は、積極的に先生の研究室に出かけていき、授業以外の場でもたくさんのことを吸収している。過去を学ぶ過程では、歴史上の人物が実際に扱ったものに触れる機会もある。机上の勉強だけではない多様な学びの中で、将来自分はどんな先生になりたいか、具体的に描いている。