大学生活も半分が終わろうとする中で自分を見つめなおしたとき、より自分に向いていると思えた小学校の教員になるべく、板尾さんは受験をし直しました。晴れて二度目の大学1年生になった今、チャンスは自ら掴みに行かないと、自身の成長にはつながらないと認識している板尾さんは、叶えたい自分の姿も明確に描いています。コロナ禍を経て、デジタルネイティブの子どもたちを教えるという前例のない領域において、新たな教育を切り拓くチャレンジが始まります。

08 デジタルネイティブ時代の新しい教育

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井上:これからの社会は、コロナもあって、世界がどうなるかわからないね。
 
板尾:そうですね。でも良い方向に変わることもあるとは思っています。例えば仕事をするのも、最近はデスクワークなら家でもできるようになってきたし、ワーケーションっていう言葉もありますよね。ライフスタイルは大きく変わるけれど、無駄な時間が減るという意味では、すごくいい方に変わるかなとは思っています。
 
井上:もしかしたら20年後は、教室の環境もかなり変わってるかもしれないね。板尾さんは、授業中もノート代わりにiPadを使ってますよね。どういう使い方をしてますか?
 
板尾:算数とかだと、同じ図形を何度も描くときがありますよね。そういうときはコピーすれば効率もいいですし、これ1台でいろんな授業のノートも集約できます。
井上:まさに時代が変わったよね。学生さんが自らこういうのを使っていけば、教える時もちゃんとできるから、本当に学校も変わるかもしれんね。
 
板尾:でもやっぱり、学校に行って勉強するっていう意味は大きいと思うんです。学校教育はオンラインでやるよりかは、オフラインでやるというのを維持したいと思います。今の子たちはデジタルネイティブの世代で、人との直接的なかかわりはなくてもやっていける部分もあるんですけど、そうすると、人の気持ちを考えられなくなってくると思うんです。SNSで知らない人に誹謗中傷の言葉をかけるとか。想像力が欠けているというか、独りよがりの考えを押し付ける人が増えているんじゃないかと思います。デジタルの世界だけど、人との直接のかかわりとか、人の気持ちは大切にしなきゃいけないということは教えたいと思います。
 
井上:あなたの力を活かして、新しい授業を作っていってもらえればと思います。例えば今は、京都の学校と九州の学校と北海道の学校が同時に授業を受けることが可能なんですよね。そうすることによって、他の子どもたちの文化が共有できますよね。
 
板尾:そうですね。地域学習の内容を、違う都道府県の人と共有するのは面白いと思います。
 
井上:そういうのをぜひやっていただけたらと思います。

PROFILEプロフィール

  • 井上 和久

    教育学部教育学科 准教授



    1961年兵庫県生まれ。大谷大学文学部卒業。兵庫教育大大学院学校教育研究科修士課程終了。兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科博士課程修了。博士(学校教育学)。兵庫県立高等学校、兵庫県教育委員会、兵庫県立特別支援学校、大和大学教育学部准教授を経て、2018年に大谷大学文学部着任。
    障害のある子どもと障害のない子どもが共に学ぶインクルーシブ教育システム構築のための、早期からの支援方法と支援継続のための地域や学校等でのシステムの研究を行っている。具体的には、保育所・幼稚園・小中学校の先生を対象にした「幼児期から学齢期までの支援継続のためのガイドブック」「中学校から高等学校への支援継続のためのガイドライン」の作成、「特別支援学校のセンター的機能と関係機関が連携した早期からの支援システム」の提案などを行っている。



  • 以前は別の大学で学んでいたが、大学生活も半分が終わろうとする中で自分を見つめなおしたとき、小学校の教員が、より自分に向いていると思えて、再受験した。
    チャンスは自ら掴みに行かないと、自身の成長にはつながらないと認識している。叶えたい自分の姿も明確に描いており、コロナ禍を経て、デジタルネイティブの子どもたちを教えるという前例のない領域において、新たな教育を切り拓くチャレンジが始まる。