坪田さんは、幼児教育の現場に出られる体験学習の多さにひかれて、幼教に入学してきました。2020年はコロナ禍のために例年とは異なったカリキュラムになりましたが、オリジナリティあふれたプロジェクトに、楽しみながら一生懸命取り組んでいます。おもちゃを作ったり、子どもの遊びを考えたりすることはもちろん、どういう保育者になりたいか、どういう保育の在り方が好ましいのかという根本的な問いにも自分なりの考えを持ちながら、憧れの保育者を目指して頑張っています。
※教育学部教育学科(初等教育コース/幼児教育コース)は2018年4月に文学部教育・心理学科を改組し開設

05 自分の保育観をしっかり育てる

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坪田:ゼミを決める時って、どういう感じですか?
 
西村:2年生の夏休みに、自分が卒論でやりたいことについてのレポートを課されるんです。例えば、教育方法についてやりたいと思ったら、前期に見た森の幼稚園について調べるとか。その上で先生方と面談しながら、この先生のゼミやったらできそうだなっていうところを、第三希望まで書いて提出する。それを私たちの方でも「これやったら第二希望の方がやりやすいかもしれん」とか考えながら組んでいくことになります。だから「友達と同じところにしよう」ではなく、自分の関心で考えてもらってます。行った先で友達はできるしね。
2年生になったら専門の勉強はもっともっと増えてきますよ。私やったら「教育方法論」とか「教育課程論」っていうのがあるし、各先生の専門分野が入ってくるようになるので、そういう授業を受けながら、面談でしっかり考えてもらう。でも、どのゼミも結構楽しくやってますよ。図工のゼミなんかは、今年は「不思議の国のアリス」をテーマにして洋服を作ったり、映像を作ったりとかしてはるし、音楽ゼミは合奏してはるし。ぞれぞれのゼミがすごく個性的なので、そこで何ができるか楽しみですね。今後の将来の夢は?
 
坪田:幼稚園か保育園かはまだ決めてないんですけど、園児に対して、子どもの目線で、自分だったらどうしてほしいかっていうのを考えながら接することができたらなと思います。
 
西村:子どもが何を思っているかってことにちゃんと反応ができる先生になりたいってことですね。赤ちゃんがかわいくていいって学生もいれば、幼児さんのおしゃべりが面白いって思う人もいて、乳幼児って言ってもひとくくりじゃないし、園によっても違うしね。子ども主体の保育でググっと伸びる学生もいれば、教室みたいなところで教わることで伸びる学生もいるので、いろんな園に行って自分の保育観を育ててほしいと思います。
 
先輩で面白かったのが、授業を聞いて「のびのび保育」っていうのがいいなと思って、そういう自由保育のところに実習や体験に行ったら、とても難しくてどうしていいかわからないから、まずはある程度規制がある園に就職するほうがいいっていう希望が出るようになったんですよ。理想として「のびのび保育」はあるけど、最初は違うところから学びたいと。実習を重ねてくると、そういうことも考えられるようになってくるんですよ。
 
実習中は、私たちも学生さんと話をしながら、どういう保育をしたいのかってことを考えていくから、一緒に進めていきましょう。幼教の教員は、基本すごい丁寧なんですよ。どの学生も育って欲しいと思ってるから、おせっかいなんですよね(笑)。実習が楽しみですね。
 
坪田:実習は福井でも京都でもやりたいなって思ってるんですけど、就職先はまだ全然決めてなくて。何を基準に決めたらいいですか?
西村:そうですね……、土地柄みたいなのはやっぱりあって、話し方も人間関係の持ち方も、京都市内と福井とでは違うかもしれないから、そういうのを考えてみるのもいいけど、まずはやりたい保育ができるところですよね。ただ、公立の園の試験を受けようと思ったら、ちょっと早めの勉強が必要ですね。一般教養の試験は大学でやってる勉強とは違うので、数学とか、あまり専門課程では勉強しないものは、高校の教科書を復習する。早めに手をつければ全然大丈夫だと思うので、公立の場合はそれを考えつつ。
 
私立の場合は、それぞれすごく特色があるので、どこで就職するにしても、自分の保育観とか子ども観とかが見えてきた段階で、素敵やなって思えるところを検討するといいね。おうちの方も「ここで保育がしたいんだ」っていう気持ちがあれば、どこを希望しようとわかっていただけると思うので、自分のやりたい保育のポリシーがしっかりできると良いですね。

PROFILEプロフィール

  • 西村 美紀

    教育学部教育学科 准教授



    1996年神戸女学院大学家政学部児童学科卒業。2002年9月奈良女子大学大学院人間文化研究科比較文化学専攻(教育学)博士後期課程満期退学。2004年5月英国ケンブリッジ大学大学院教育学研究方法論コース修士課程修了。奈良女子大学文学部人間行動科学科助手、種智院大学非常勤講師、種智院大学特任講師、大阪経済法科大学非常勤講師、東大阪大学非常勤講師、奈良女子大学非常勤講師を経て、2008年大谷大学短期大学部幼児教育保育科講師着任。2018年大谷大学教育学部教育学科 准教授。
    子どもが自分たちで、問いや目的を持ち、探究していくプロジェクト保育について研究している。プロジェクト保育では、保育者は、一定の見通しを持ちつつ、子どもたちの課題意識ややってみたい気持ちを大切に、子どもの気づきや思いつきを拾いながら、他の子どもたちと共有・交流・議論するプロセスを援助することで、活動の展開を支えていく。このような活動は4歳児や5歳児を中心として実践されているが、実は乳児期特に1歳後半から2歳児において、子ども同士でイメージの共有がいかに楽しめるようになっているかが大切になると考えている。子ども同士でのイメージ・考えの共有を援助する保育者の関わりについて関心を持っている。



  • 中学校の時に職場体験で保育士の楽しさに気づき、保育士になろうと思った。幼児教育の現場に出られる体験学習の多さにひかれ、大谷大学を受検。
    オリジナリティあふれたプロジェクトに、楽しみながら一生懸命取り組んでいる。おもちゃを作ったり、子どもの遊びを考えたりすることはもちろん、どういう保育者になりたいか、どういう保育の在り方が好ましいのかという根本的な問いにも自分なりの考えを持ちながら、憧れの保育者を目指して頑張っている。