坪田さんは、幼児教育の現場に出られる体験学習の多さにひかれて、幼教に入学してきました。2020年はコロナ禍のために例年とは異なったカリキュラムになりましたが、オリジナリティあふれたプロジェクトに、楽しみながら一生懸命取り組んでいます。おもちゃを作ったり、子どもの遊びを考えたりすることはもちろん、どういう保育者になりたいか、どういう保育の在り方が好ましいのかという根本的な問いにも自分なりの考えを持ちながら、憧れの保育者を目指して頑張っています。
※教育学部教育学科(初等教育コース/幼児教育コース)は2018年4月に文学部教育・心理学科を改組し開設

04 すごい先輩たちから刺激をもらう機会

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西村:おもちゃ作りはどうですか?この前は、園の子たちにプレゼントできるおもちゃを作ってもらったんですよね。どんなのを作りました?
 
坪田:0歳児向けの、握ったら音がするのを作りました。
 
西村:裁縫をあまりやらない学生も、丁寧に縫わなきゃって、一生懸命やってましたね(笑)。今年は現場に出られないので、出られないなりにやってるんですけど、本当に現場を体験させてあげられないのが残念ですね。「実践体験活動演習」なんかでは、その授業の裏で、関連する科目を必ず入れてカリキュラムを組んでるんですよ。現場に行って子どもの発達の様子を見ながら、発達心理学も学べるように、とか。「発達心理学(幼)」は暗記科目ではないのでね。来年度はぜひ行かせてあげたいと思いますね。
 
例年なら「八瀬野外保育センター」っていう施設から特別許可をいただいて、1年生と2年生が一緒に行って野外活動をやったりもするんです。そもそも4月に、2年生が1年生に学内を案内したり、お世話をすることになってるんですけど、それもできんかったし……。そういうのがあると、ちょっと困ったときに先輩に相談ができるんですよね。まあ今年はその代わりに、2年生が何か計画してくれているみたいですよ。
 
坪田:先輩のことはあんまり知らないので、楽しみです!
西村:この状況下でも、できるだけ行事はたくさんやりたいんですよね。例年は、1期生が自発的に作り上げた「幼教オリンピック」っていう行事もあって、子どもたちとできるようないろんなオリジナル競技をやるんですけど、それも今年はできないから、来年度か再来年度にはやりたいなと思っています。
2年生もあまり外に行けてないので、同じようにマップを作ってもらったんですよ。児童公園をいくつかに振り分けて、グループでやってもらったんですね。もう遊具の危険性も学んでるし、どういう配置がされていて、日当たりがどうで、とか。公園内にトイレがない場合は、近隣の施設に使用可能かどうか聞きに行って、このマップが公開されたときでも、支障がないかどうかを確認したり。2年生なので一歩進んでそんなことができてくるんですね。この前、1年生が2年生のマップを見たら、みんな「おお……」ってびっくりしてましたね(笑)。良いんですよ、2年生のレベルの気づき、1年生の素朴なレベルの気づきっていうのが、それはそれで面白いから。
 
坪田:先輩はすごいですよね……。
 
西村:学年によって、カラーがあるんですよ。1期生は、本当に自分たちでコースを作っていくぞっていう気概があって、やりたいことをいっぱい言ってきます。2期生は、全体として真面目で勉強家が多いので、いろんなことをきっちりやりますね。だからものすごく成果物の質が高いです。議論も深まる感じで。
3期生にあたる今の1年生は、積極性がありますね。きちんと発言ができる人たちが多いので、それを上手な形で出せるようになってくると良いなと思います。そのパワーを、これからどう育てていけるかかなと思っています。やっぱりコロナ禍のオンライン授業で戸惑いからスタートしているので、こちらもいろいろできていないっていう思いがあるから詰込み型になってたんですけど、後期になってからはエンジンかかってきたなって感じはすごくありますね。個性的な学生が多くて面白いです。でもどの学年も、いい先生になってくれると思いますよ。保育者って、いろんなタイプが必要なのでね。

PROFILEプロフィール

  • 西村 美紀

    教育学部教育学科 准教授



    1996年神戸女学院大学家政学部児童学科卒業。2002年9月奈良女子大学大学院人間文化研究科比較文化学専攻(教育学)博士後期課程満期退学。2004年5月英国ケンブリッジ大学大学院教育学研究方法論コース修士課程修了。奈良女子大学文学部人間行動科学科助手、種智院大学非常勤講師、種智院大学特任講師、大阪経済法科大学非常勤講師、東大阪大学非常勤講師、奈良女子大学非常勤講師を経て、2008年大谷大学短期大学部幼児教育保育科講師着任。2018年大谷大学教育学部教育学科 准教授。
    子どもが自分たちで、問いや目的を持ち、探究していくプロジェクト保育について研究している。プロジェクト保育では、保育者は、一定の見通しを持ちつつ、子どもたちの課題意識ややってみたい気持ちを大切に、子どもの気づきや思いつきを拾いながら、他の子どもたちと共有・交流・議論するプロセスを援助することで、活動の展開を支えていく。このような活動は4歳児や5歳児を中心として実践されているが、実は乳児期特に1歳後半から2歳児において、子ども同士でイメージの共有がいかに楽しめるようになっているかが大切になると考えている。子ども同士でのイメージ・考えの共有を援助する保育者の関わりについて関心を持っている。



  • 中学校の時に職場体験で保育士の楽しさに気づき、保育士になろうと思った。幼児教育の現場に出られる体験学習の多さにひかれ、大谷大学を受検。
    オリジナリティあふれたプロジェクトに、楽しみながら一生懸命取り組んでいる。おもちゃを作ったり、子どもの遊びを考えたりすることはもちろん、どういう保育者になりたいか、どういう保育の在り方が好ましいのかという根本的な問いにも自分なりの考えを持ちながら、憧れの保育者を目指して頑張っている。