坪田さんは、幼児教育の現場に出られる体験学習の多さにひかれて、幼教に入学してきました。2020年はコロナ禍のために例年とは異なったカリキュラムになりましたが、オリジナリティあふれたプロジェクトに、楽しみながら一生懸命取り組んでいます。おもちゃを作ったり、子どもの遊びを考えたりすることはもちろん、どういう保育者になりたいか、どういう保育の在り方が好ましいのかという根本的な問いにも自分なりの考えを持ちながら、憧れの保育者を目指して頑張っています。
※教育学部教育学科(初等教育コース/幼児教育コース)は2018年4月に文学部教育・心理学科を改組し開設

03 子どもの目線になってつくる遊び場マップ

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西村:後期が始まって、ようやく幼教らしい授業ができてきましたけど、どうですか?
 
坪田:やっぱり対面式の授業がいいなって思いました。やってて楽しいです。オンラインの映像だけやとなかなか頭に入らないし、対面の方がみんなと話せるし、目を見て会話とかできるのがいいなって思いました。
 
西村:幼教は特に、一方向にならない子どもとの対話が必要になってくるのでね。小学校は先生が児童に一方向で話すことも多いんだけど、保育の現場では、そうではない子どもとの関わりがより必要なんですよね。子どもたちの発言が多くて、それに応答的に関わったり、そこから次どうしようかなって保育の内容を考えていったりすることになるので、大学での授業構成も、学生が行ったことに対して教員が応えていくっていう応答的なやり方が多くなってくる。だからどうしても、オンラインでの授業形態っていうのはしんどいなと思ってたので、私も対面でやりやすくなりました。好きな科目はありますか?
 
坪田:「体育(幼)」とか「図画工作(幼)」は結構好きです。今は帽子を作ってます。
 
西村:揉み紙でだよね?紙をクシュクシュってするだけで形になっていくのが不思議ですよね。「体育(幼)」は何やってるの?
坪田:保育園児に実際にやってみせるように、遊びを考えて説明するっていうのをやってます。それを発表するときに、他のグループの説明係が上手で、私もこんなふうにできたらいいなっていつも思ってます。
 
西村:他の人の良いところからはたくさん学べますね。今年は現場に出られないということもあって、「実践体験活動演習Ⅰ」っていう必修授業ではマップ作りをやってるんですよね。あれはどう?本来だったらあの授業は、毎週金曜日に保育の現場で過ごしてもらって、それを火曜日の「幼児教育演習Ⅰ」っていう授業で振り返りをするっていう形でやってるんです。みんなが現場で経験したエピソードを紹介するんだけど、すごいみんな楽しみにしてて。
 
ただ今年はコロナ禍だから、園には国で決まってる実習を受けていただくので精いっぱいになってるので、そういうウチ独自の科目っていうのがお願いできないことになってるんですね。その代替として、子どもが自然遊びができるようなところに学生さんにグループで行ってもらって、マップを作ってもらってるんですけど、あれは子どもを意識しながらできてる?
 
坪田:難しいですね。自分がこの年だったら何して遊ぶかって考えながら、結構悩みながらやってます。
 
西村:どうしても大人目線になってしまうんだけど、子どもはもっともっと地面に近いところにいるのでね。年長さんでも120センチくらいだし。そうすると、いろんなものの見え方が違うんですよね。それこそ石1個、棒1本がものすごく宝物になったりするような世界で生きてるから、ぐっと地面に近づいてみると良いかもしれない。大人がしゃがんでみた世界が、子どもが見る世界。赤ちゃんは、寝そべってみる世界。そうやって子どもがどう見ているかを体験しながら作って欲しいと思います。
かつ、保護者さんも今回のマップが使えたらいいと思うので、できたマップはPDF化して、大学のホームページに載せてもらうことを考えているんですよ。子育て支援ということで考えても、保護者がもしそこに子どもを連れてきたら、トイレとか、自転車が通らないとか、お弁当を広げられるとか、そういう視点も欲しくなってくるので、ぜひその辺も勉強してほしいなと思います。何か見つけた?
 
坪田:坂になってるところは、ダンボールを持って来たらすべり台ができるとか。
 
西村:いいですね。そういう遊びを学生さんなりに考えてもらいながら、落とし込んでいって欲しいと思います。

PROFILEプロフィール

  • 西村 美紀

    教育学部教育学科 准教授



    1996年神戸女学院大学家政学部児童学科卒業。2002年9月奈良女子大学大学院人間文化研究科比較文化学専攻(教育学)博士後期課程満期退学。2004年5月英国ケンブリッジ大学大学院教育学研究方法論コース修士課程修了。奈良女子大学文学部人間行動科学科助手、種智院大学非常勤講師、種智院大学特任講師、大阪経済法科大学非常勤講師、東大阪大学非常勤講師、奈良女子大学非常勤講師を経て、2008年大谷大学短期大学部幼児教育保育科講師着任。2018年大谷大学教育学部教育学科 准教授。
    子どもが自分たちで、問いや目的を持ち、探究していくプロジェクト保育について研究している。プロジェクト保育では、保育者は、一定の見通しを持ちつつ、子どもたちの課題意識ややってみたい気持ちを大切に、子どもの気づきや思いつきを拾いながら、他の子どもたちと共有・交流・議論するプロセスを援助することで、活動の展開を支えていく。このような活動は4歳児や5歳児を中心として実践されているが、実は乳児期特に1歳後半から2歳児において、子ども同士でイメージの共有がいかに楽しめるようになっているかが大切になると考えている。子ども同士でのイメージ・考えの共有を援助する保育者の関わりについて関心を持っている。



  • 中学校の時に職場体験で保育士の楽しさに気づき、保育士になろうと思った。幼児教育の現場に出られる体験学習の多さにひかれ、大谷大学を受検。
    オリジナリティあふれたプロジェクトに、楽しみながら一生懸命取り組んでいる。おもちゃを作ったり、子どもの遊びを考えたりすることはもちろん、どういう保育者になりたいか、どういう保育の在り方が好ましいのかという根本的な問いにも自分なりの考えを持ちながら、憧れの保育者を目指して頑張っている。