地元を活性化したいという希望を持ってコミュニティデザイン学科に入学してきた柴田君は、コロナ禍でフィールドワークがなくなるという現状を残念に思いながらも、文献を通して知る地域活性化の先進例に刺激を受けています。先輩たちと一緒に様々な地に赴き、現場から学んでいく日々を楽しみにしつつ、今は例年の楽しい話に胸を躍らせています。将来は地元で公務員になりたいと、受験対策講座を受けながら、今できることを頑張っています。

03 コロナ禍でも可能なフィールドワークを

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鈴木:これまで受けた中で面白い授業はありますか?「なるほど、そういう考え方もあるんだな」って考えさせられた授業とか。
 
柴田:僕結構、鈴木先生の授業が好きです。フィールドワークには行けてないんですけど、論文を読んで要約したりすることで、そういう事例があるんだって知れるので、ゼミの時間は結構好きですね。あとは実践的なことができたらいいと思います。
 
鈴木:そうだよね。一度も外に行かないっていうのはつまらないので、どうにかならんかなと思ってるんですよ。ちょっと外に行くことも考えたいなと思ってるんだけど、日帰りで行けるような近場で、どこか行きたいところはありますか?
 
柴田:京都はまだあまりよく知らなくて。
 
鈴木:そうか。社会学のフィールドワークっていうのは、人と接して話をしてからっていうところが基礎にあるんだけど、私の専門のような自然の調査っていうのは、自然を相手にすればいいので、こういうコロナの時期は、自然科学のフィールドワークに行けばいいっていうのはあるんだよね。
 
京都市の南、宇治の辺りに干拓地があって、今は大学や高校が建ったりしてるんだけど、あまり地盤が良くなくてね。もともと池だったところを埋め立てたから水はけが良くなくて。大雨が降ったら浸水被害が起きやすいところで、ポンプ場で常に排水してないといけないんですよ。一見わからないでしょ。そういう所をみんなで見に行ってもいいかなとは思ってます。
それから、古い集落って、微妙に高いところにあるんですよ。洪水が来た時に難を逃れられるから。そういうのを無視して今は平地に家を建てたりしちゃうもんだから、浸水しちゃうんです。そんな事例はいくらでもあります。古い町並みには理由があるんですよね。
 
柴田:確かに、不便なところに立ってるなあと思ったりはしますね。
 
鈴木:山の上にある神社とかはね、災害に強いんですよ。わざわざそういうところに建てたから。そういうのも、一緒に歩きながらやっていきましょう。
 
柴田:どこかに行けるのは楽しみですね。いろいろなところに行ってみたいです。
鈴木:通常ならば、今年から和歌山県のゆず農家の支援プロジェクトをする予定だったんですよね。11月に3泊4日で出発しようと準備をしてたんだけど、コロナの状況が悪化して、前日に中止になっちゃって。あれは残念だったね。でも先方からゆずを送ってもらったから、それを使って何か作ってみようっていう宿題につながったからね。どう?宿題はやった?
 
柴田:まだです。
 
鈴木:え、明日提出締め切りだよ?大丈夫?
 
柴田:え、明日でしたっけ!?
 
鈴木:そうだよ。ちゃんと写真に撮って、手紙を書いて、こんなんできましたっていうのを先方に送ろうと思ってるんだから、ちゃんと出してよ。
 
柴田:はい、多分大丈夫です。
 
鈴木:和歌山には、ウチの地域連携室(コミュ・ラボ)から交通費を出してもらって行く予定だったんですけどね。来年度は予算がどうなるかわからないんだけど、それでも自分で交通費を出せれば、来年度も行けそうなので、そうしたら行く?
 
柴田:今年行けなかったので、行きたいですね。

PROFILEプロフィール

  • 鈴木 寿志

    社会学部コミュニティデザイン学科 教授



    1966年神奈川県生まれ。京都大学大学院後期博士課程修了。博士(理学)。山形大学理学部助手、京都大学非常勤講師、(有)地質調査グループGEOTEC、レオーベン大学研究助手、大阪学院大学非常勤講師を経て、2008年に大谷大学文学部着任。
    造山作用による山地形成過程を放散虫などの微化石を用いて研究している。これまでに日本、チベット、ミャンマー、オーストリー、セルビア、北部アンデス、ケニアを対象に地質・地形発達過程を調べてきた。さらにこれらの国々の自然環境と文化形成との関連についても研究をひろげている。日本のように地震活動の活発な変動帯では、どのような文化が生まれたのだろうか?地質にかかわる文化事象から考察している。



  • 地元が好きで、将来地元を活性化したいという希望を持ち、コミュニティデザイン学科に入学。コロナ禍でフィールドワークがなくなるという現状を残念に思いながらも、文献を通して知る地域活性化の先進例に刺激を受けている。
    先輩たちと一緒に様々な地に赴き、現場から学んでいく日々を楽しみにしつつ、今は例年の楽しい話に胸を躍らせている。公務員になる夢を叶えるため、受験対策講座を受けながら、今できることを頑張っている。