文学科には、ご自身の専門領域について楽しげに話してくださる先生方がたくさんいらっしゃいます。漫画や落語をはじめ、授業を通して古来からの多様な作品に触れる中で、自分の関心がどこにあるかを見つけていく過程は、新たな発見の連続でもあります。将来は図書館司書になりたいという伏木さんは、何にでも一生懸命取り組む「キラキラした」大学生活を送りながら、少しずつ将来への道を歩んでいます。

09 すべてが「キラキラした大学生活」になっていく

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伏木:先生は普段、どんな研究をしてるんですか?
 
中川:仮名草子っていう江戸時代の文学作品を扱ってて、例えば、タヌキが文学の中でどのように描かれてきたかとか、それがヘビやキツネだったりするんやけど、平安時代に比べて読みやすくなるんですよ。その中で、怪異ものを扱うことが多いですね。あとは教職課程の授業を担当してるので、『山月記』をやったりとか。仮名草子の研究と、国語教育ですね。
伏木:先生が文学を研究しようと思ったきっかけは何ですか?
中川:「文学は感動の表現だ」って教えてくれた先生がいて。喜怒哀楽すべてを指すと。それは『万葉集』も今も一緒だと。人を好きになったら会いたいと思うし、友達と離れたら寂しいと思うし。言葉はある程度限界のあるアイテムですけど、それを表現していくことに関心を持ったから。カッコよく言うとそんな感じ。まあ本を読むことが好きやったからかな。あとは、国語の先生になりたかったからっていうのもあるけど。
 
伏木:国語の先生してたんですか?
 
中川:してました。今も時々高校で教えてますよ。いろんな学校に行って授業をさせてもらったりするんですよ。楽しいです。大学生活は、高校の時に予想してたのと比べて、どう?
 
伏木:どうですかね。大学ってキラキラしたイメージがあって、すごい楽しそうやなって思ってて、あんなふうになれるんかなって今でも思ってます。
 
中川:でも楽しいって言ってたでしょ?
 
伏木:楽しいですけど、あんなふうにキラキラしてるのかなと思って。
中川:それは自分ではわからへんかな。自分でいつも「私、キラキラしてるのかな」って思わないやろ(笑)。だんだんそうなっていくんとちがうかな。部活とか部活後の遊びとか、授業中のグループワークとか、そういうのも全部含めて大学生活になってるのかな。きっとキラキラしてると思うよ。

PROFILEプロフィール

  • 中川 眞二

    文学部 文学科 教授



    大谷大学大学院文学研究科博士後期課程退学。文学修士。大谷中高等学校常勤講師、専任講師を経て、2012年大谷大学文学部専任講師に着任。2014年同大学准教授、2020年同大学教授。
    庶民の文学享受が研究課題。江戸時代になり、庶民が文化の担い手となり、庶民文化が花開く。そのなかで、庶民を対象とした仮名草子を主な研究対象である。特に浄土真宗の僧でもあった浅井了意や禅宗の僧であった鈴木正三は数多くの著作を残している。現在は、その著作の文学性や庶民教化の姿勢、その背景にあるものについて考えている。特に、仏教や儒教の思想がどのような役割を果たしているのかといったことに関心を持っている。



  • 将来は図書館司書になりたいという夢があり、図書館司書資格が取れる文学科を探した時、母親のすすめで大谷大学に進学した。通学には時間がかかるが、もともと興味があった演劇部に入ったり、面白いと感じる授業も多く、毎日楽しい大学生活を送っている。
    漫画や落語をはじめ、授業を通して古来からの多様な作品に触れる中で、自分の関心がどこにあるかを見つけていく過程は、新たな発見の連続。何にでも一生懸命取り組みながら、少しずつ将来への道を歩んでいる。