文学科には、ご自身の専門領域について楽しげに話してくださる先生方がたくさんいらっしゃいます。漫画や落語をはじめ、授業を通して古来からの多様な作品に触れる中で、自分の関心がどこにあるかを見つけていく過程は、新たな発見の連続でもあります。将来は図書館司書になりたいという伏木さんは、何にでも一生懸命取り組む「キラキラした」大学生活を送りながら、少しずつ将来への道を歩んでいます。

05 文学の勉強もするし、創作もできる

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中川:これからコース分けの希望を聞くことになってるんだけど、「日本文学コース」と「現代文芸コース」のどっちを考えていますか?
 
伏木:一応「日本文学コース」に進もうと思ってます。中川先生の授業にもちょっと興味がありますよ。
 
中川:それはありがとうございます(笑)。やってることは怪談やけどね。でも卒論で「文学に現れた幽霊」っていうテーマにしたりする子もいるんですよ。姿かたちをもった幽霊って江戸時代くらいにならないとなかなか出てこないんです。
伏木:妖怪にも興味がありますよ。
 
中川:それは有望ですね(笑)。コースには分かれるけど、2年生も全教員が指導しますよ。どちらに進んでも、古典の先生の授業も聞くし、現代文学の先生の話も聞くよ。特定の作品を読み始めるとは思うけど。まだ現代文と古典と両方勉強してもらうって感じ。3年生から本格的に自分の興味ある分野・時代ごとに分かれていく感じかな。
 
伏木:友達は『源氏物語』がやりたいなあって言ってます。でも創作もしたいし、って悩んでました。
 
中川:創作はどっちのコースに入ってもできるんやで。伏木さんは創作はするの?
 
伏木:小さい頃はちょっと書いてたりしたんですけど、つじつまが合わないともうそこで嫌になって(笑)。文学科に小説を書く講義ってありましたっけ?
 
中川:「文藝塾実践演習」かな。「文藝塾講義」の方は、前期はルポライターとか編集者とか、文学に関わる人に来てもらってて、後期は小説家が来て授業してくれてます。
 
伏木:國中先生の「現代文芸概論」でもたまに創作が出されるって聞きました。
 
中川:國中先生は文藝塾担当の先生やからね。僕の明日の授業でも、短歌を元に物語を書いてもらおうと思ってます。まあ書く時間はたっぷりとるんでね。実際に書く体験をすることで、作者の意図を考えるっていうのが狙いです。まあ素晴らしい作品を作れればそれはそれでいいけど、その向こう側にある作者の意図を考えるために作ってもらうから。
 
伏木:頑張ります。

PROFILEプロフィール

  • 中川 眞二

    文学部 文学科 教授



    大谷大学大学院文学研究科博士後期課程退学。文学修士。大谷中高等学校常勤講師、専任講師を経て、2012年大谷大学文学部専任講師に着任。2014年同大学准教授、2020年同大学教授。
    庶民の文学享受が研究課題。江戸時代になり、庶民が文化の担い手となり、庶民文化が花開く。そのなかで、庶民を対象とした仮名草子を主な研究対象である。特に浄土真宗の僧でもあった浅井了意や禅宗の僧であった鈴木正三は数多くの著作を残している。現在は、その著作の文学性や庶民教化の姿勢、その背景にあるものについて考えている。特に、仏教や儒教の思想がどのような役割を果たしているのかといったことに関心を持っている。



  • 将来は図書館司書になりたいという夢があり、図書館司書資格が取れる文学科を探した時、母親のすすめで大谷大学に進学した。通学には時間がかかるが、もともと興味があった演劇部に入ったり、面白いと感じる授業も多く、毎日楽しい大学生活を送っている。
    漫画や落語をはじめ、授業を通して古来からの多様な作品に触れる中で、自分の関心がどこにあるかを見つけていく過程は、新たな発見の連続。何にでも一生懸命取り組みながら、少しずつ将来への道を歩んでいる。