文学科には、ご自身の専門領域について楽しげに話してくださる先生方がたくさんいらっしゃいます。漫画や落語をはじめ、授業を通して古来からの多様な作品に触れる中で、自分の関心がどこにあるかを見つけていく過程は、新たな発見の連続でもあります。将来は図書館司書になりたいという伏木さんは、何にでも一生懸命取り組む「キラキラした」大学生活を送りながら、少しずつ将来への道を歩んでいます。

02 人間観察力を磨いて演劇に生かす

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中川:高校では部活は何を?
 
伏木:テニス部でした。中学高校とやってたので、大学ではもう運動はしたくないなと思って。演劇にはもともと興味があったんです。両親が演劇部で、めっちゃ楽しいって聞いてたので。本当は高校で演劇部に入りたいなと思ってたんですけど、部員が2人しかいなかったのでやめました(笑)。それで若葉祭で勧誘されて、見に行ったら先輩方が面白くて。体験に行ったら発声とかやってて、面白いと思って入りました。
 
中川:それでこの前舞台に立ったのか。
 
伏木:はい。今は卒業公演をやろうって言ってるんですけど、4年生の先輩がなかなか来なくって。
中川:今は、卒論にかかりっきりやろうね。先輩も卒業せなあかんしね。でも部活が楽しくていいね。
 
伏木:はい。部活が終わったら部室に行って、ボードゲームとかやってます(笑)。この前は、演劇力テストっていうのをみんなでやって、すごく面白かったです。
 
中川:それはどんなの?
 
伏木:例えば、「なんで?」っていう言葉を、裏切られたときの「なんで?」とか、わがままで「なんでー?」とか、「こんな時に言う言い方で」って指定されるんです。それで、どの言い方をやってるか当ててもらうっていうゲームなんですけど、難しいですね。近いやつってやっぱりあるんですよ。裏切られた時と、驚いた時の「なんで?」ってちょっと似てて。それを分けるのが難しいですね。
中川:じゃあ人間観察が必要やね。
 
伏木:してます。カフェとかで、周り見て先輩を見つけるのが得意です。友達には「え、なんでわかる?」って言われます。
 
中川:なるほど。文藝塾(※)なんかでも小説家の先生が来るやんか。そこですごい人間観察の仕方を教えてくれるんですね。やっぱり独特の見方をするらしいよ。本校卒業生の津村記久子さんも来てくれて、そういう話をしはったよ。演劇をするときに自分の引き出しを作っておくっていうのは、それと一緒やね。
(※文藝塾……「書く力」を養うための講義と演習を行う場。文藝を通した交流サロンとしてさまざまな学生が集い、授業では小説やエッセイなどの文章を執筆し、書き手としての力、客観的に読む力を同時に身につけていく。)

PROFILEプロフィール

  • 中川 眞二

    文学部 文学科 教授



    大谷大学大学院文学研究科博士後期課程退学。文学修士。大谷中高等学校常勤講師、専任講師を経て、2012年大谷大学文学部専任講師に着任。2014年同大学准教授、2020年同大学教授。
    庶民の文学享受が研究課題。江戸時代になり、庶民が文化の担い手となり、庶民文化が花開く。そのなかで、庶民を対象とした仮名草子を主な研究対象である。特に浄土真宗の僧でもあった浅井了意や禅宗の僧であった鈴木正三は数多くの著作を残している。現在は、その著作の文学性や庶民教化の姿勢、その背景にあるものについて考えている。特に、仏教や儒教の思想がどのような役割を果たしているのかといったことに関心を持っている。



  • 将来は図書館司書になりたいという夢があり、図書館司書資格が取れる文学科を探した時、母親のすすめで大谷大学に進学した。通学には時間がかかるが、もともと興味があった演劇部に入ったり、面白いと感じる授業も多く、毎日楽しい大学生活を送っている。
    漫画や落語をはじめ、授業を通して古来からの多様な作品に触れる中で、自分の関心がどこにあるかを見つけていく過程は、新たな発見の連続。何にでも一生懸命取り組みながら、少しずつ将来への道を歩んでいる。