「文化の首都」である京都にあこがれを持ってやってきた佐藤さんは、中国語やアメリカの女性史など、初めての学びに大いに刺激を受けています。留学によって視野が広がり、成長できることの魅力について先生から教えられ、次の語学研修もさらに楽しみになりました。「遠くの景色を見ようと思ったら、自分がレベルアップしないといけない」と、4年間の学びの大切さを説く先生の話に耳を傾け、意欲的に行動していこうと決意しています。

07 4年間の勉強で、遠くを見渡すことができる

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渡部:大谷に入って4年間勉強するということは、どのような利点があると思いますか?
 
佐藤:まず私は京都に来たくて。修学旅行で来て、京都って、文化の首都っていうか、そういう場所だなって思って。
 
渡部:そういう中で暮らしてみたいと思ったのか。いろいろ行きました?
 
佐藤:この前初めて宇治に行きました。平等院鳳凰堂が見たくて。テレビで見るよりずっときれいでしたね、感動しました。
 
渡部:京都で学ぶことで、どんなメリットがありますか?
 
佐藤:そこまではあまり考えてなかったです。勉強して、いろいろ知りながら考えていきたいです。
渡部:知るっていうのはどういうことだと思う?

佐藤:知識がないと、お寺に行くにしても神社に行くにしても、見方が変わってくるなって思いますね。

渡部:本当に百聞は一見に如かずで。京都の風景なんかもね、自分が想像していたのと違うということを知ると、それはもともとの自分をもう一段階上にあげたってことになるんですよね。そこで見る景色が、これまでは10メートル先しか見れなかったのが、50メートル先も見れるようになった。遠くを見れるっていうことは、自分の人生にとってもメリットだと思いますよ。大学で4年間勉強すると、高校までの自分と全然違うんですよ。この4年間の勉強で、遠くを見渡すことができる。そうすると、社会に出ていろんな問題が起きたときに、近視眼的に見ることがなくなるので、非常に役に立つと思うんですね。

中国の詩人に王之渙(おう しかん)っていう人がいるんです。僕はその人の詩が好きなんですけどね、「白日 山に依りて尽き 黄河 海に入りて流る」。太陽が山によりかかるようにして没してゆき、眼下の黄河が海に流れていく様子を、鹳鵲楼(かんじゃくろう)に上りながら見ている最中なんだけど、そこで「千里の目を窮めんと欲す」、つまりさらにもっと遠くを見たいと言って、「更に上ろう、一層の楼」、もう一層上がっていこうって言うんだ。ここの意味が重要で、もっと遠くの景色を見ようと思ったら、自分がレベルアップしないといけない、って言ってるんです。

大学は自分のレベルをアップさせる大事な4年間なんです。卒業してからいろんな問題が出てくると思うんですけど、近視眼的に見ないで、遠くを見る。場当たり的にやっていくんじゃなくて。大学4年間っていうのは、自分自身をレベルアップさせる期間なんです。この4年間しっかり勉強したら、見えなかったものが見えて社会に出ても様々な問題を解決するにも役立つと思いますよ。


PROFILEプロフィール

  • 渡部 洋

    文学部 国際文化学科 教授



    1960年大阪府生まれ。1986年北京大学中文系卒。大阪外国語大学中国語学科に復学後卒業。神戸市外国語大学修士修了。大阪市立大学中国文学研究科博士後期課程単位取得退学。文学修士。大谷大学文学部特別研修員を経て、1995年に大谷大学文学部着任。
    中国に於ける話し言葉の歴史的変遷を研究対象としている。方法としては、各時代の口語資料の中の語句を抽出分類し、その特殊性を捉え明らかにするというもの。現在元・明代の副詞の活用状況と文字表記の変遷を中心に研究している。



  • 「文化の首都」である京都にあこがれを持ち、国際文化と宗教について学べる大谷大学が自分にぴったりだと思い、入学した。中国語やアメリカの女性史など、初めての学びに大いに刺激を受けている。
    留学によって視野が広がり成長できることの魅力について、また「遠くの景色を見ようと思ったら、自分がレベルアップしないといけない」と、4年間の学びの大切さを説く先生の話に耳を傾け、意欲的に行動していこうと決意している。