「文化の首都」である京都にあこがれを持ってやってきた佐藤さんは、中国語やアメリカの女性史など、初めての学びに大いに刺激を受けています。留学によって視野が広がり、成長できることの魅力について先生から教えられ、次の語学研修もさらに楽しみになりました。「遠くの景色を見ようと思ったら、自分がレベルアップしないといけない」と、4年間の学びの大切さを説く先生の話に耳を傾け、意欲的に行動していこうと決意しています。

05 視野が広がる留学のススメ

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渡部:中国語は、高校の時とかも興味があってかじったりしてたんですか?
佐藤:いえ全然。大学で外国語を選択する時も、中国の文化を学びたいっていう気持ちもあったんですけど、英語があまり得意ではなくて。中国語は漢字だから私でも親しみやすいかなって思った程度です。
 
渡部:中国って、漢字を使ってますけど、文の構造とか基本的な考え方とかはわりと英語と似てるんですね。だから英語ができる人はわりと中国語もできたりするんです。そういう意味では、漢字だと思って勉強し始めたら、何か違うと思うかもしれない。本当は中国語と英語の両方をマスターするといいんだけどね。長期留学とかも考えてる?
 
佐藤:考えてないです。金銭面もあって。
 
渡部:でも交換留学生に選ばれたら、確か留学先の学費は無料だったかな(※)。食費もそんなにかからないって聞いてるんで、長期、と言っても半年くらいだけど、説明会に行って話を聞いてみるのもいいですね。建築とかデザインに興味があるんだったら、北京にはまだ伝統的な家屋なんかも残ってますんで、面白いと思います。
 
中国はすごく広いですから、北に行けば北の、南に行けば南の家屋が見れますよ。洛陽の近くだったら、洞穴に住んではりますよ。夏は涼しくて冬はあったかいから。中国の奥地に入って、少数民族やその地域に住む人々の暮らしぶりなんかを見てみるのも面白いと思います。実際に行って見たり感じてみたりするのは重要なんでね。ホンマは2年くらい行けると、余裕をもって次の季節を過ごせるんですけどね。中国人って、声が大きいでしょ?
 
佐藤:ああ、そう思います。
 
渡部:中国語って、腹式呼吸的なところがあって。日本語ってどうしても口先でしゃべる言語なんですね。だから大きい声でしゃべらないと、いくら文法的に正しくても、全然伝わらないんですね。少々発音が悪くても、大きい声なら相手はわかってくれるのでね。郷に入れば郷に従えで、中国に行ったらやっぱり自分を変えないといけなくなってくる。長期留学すると、態度も声の質も、変わってきますよ。だからお勧めです。
中国にはいろんな国から留学生が来てるから、フランス人ってこういう考え方するんだとか、この国の人はいい加減だなとか、そういうこともわかってくる。日本人にもいろんな人がいますから、最終的にはみんな一緒なんだなって思うんですけど、そうは言っても各国の人のいろんな特徴ってありますんでね。こういう考え方をするのは、この国の人にとっては普通なんだなとか、外国人同士で偏見を持ってるのもわかったりね。

北京大学の留学時代のことですが、イスラム教の国から来た留学生たちは、平気で洗面所で羊をさばくんですよ。心臓を取って「これ、新鮮でおいしいよ」って持ってきたりね。刺身を食べるみたいな感じで。それが向こうの常識なんだってことを知るだけでも、視野が広がりますよね。そうすると自分の考えも広がって役に立つと思いますよ。
(※一部の学術交流協定校への語学留学は、海外学費が全額免除とならない場合があります。)

PROFILEプロフィール

  • 渡部 洋

    文学部 国際文化学科 教授



    1960年大阪府生まれ。1986年北京大学中文系卒。大阪外国語大学中国語学科に復学後卒業。神戸市外国語大学修士修了。大阪市立大学中国文学研究科博士後期課程単位取得退学。文学修士。大谷大学文学部特別研修員を経て、1995年に大谷大学文学部着任。
    中国に於ける話し言葉の歴史的変遷を研究対象としている。方法としては、各時代の口語資料の中の語句を抽出分類し、その特殊性を捉え明らかにするというもの。現在元・明代の副詞の活用状況と文字表記の変遷を中心に研究している。



  • 「文化の首都」である京都にあこがれを持ち、国際文化と宗教について学べる大谷大学が自分にぴったりだと思い、入学した。中国語やアメリカの女性史など、初めての学びに大いに刺激を受けている。
    留学によって視野が広がり成長できることの魅力について、また「遠くの景色を見ようと思ったら、自分がレベルアップしないといけない」と、4年間の学びの大切さを説く先生の話に耳を傾け、意欲的に行動していこうと決意している。