他大学との合同サークルや小学校でのボランティア活動、授業の課題などで大忙しの日々を過ごしている渡邉さんは、実は谷大入学をギリギリまで悩んでいたと言います。それでも入ってみると、小規模校ならでの先生との距離の近さや、充実したカリキュラムに満足し、今では刺激のある大学生活を大いに楽しんでいます。自身が経験してきた探究活動を通して、子どもと共に自らも成長できるような教師になるべく研鑽を積んでいます。

05 好きなことや興味のあることを、頭を使って学べる

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谷:大学の授業を受けてみてどうですか?
 
渡邉:高校の時は強制感があったというか、みんなもやってるし、しんどいなって思いながらもやってたんですけど、大学は本当に好きなことや興味のあることを学べるので、こういうところが大学かあって思いました。
 
谷:やっぱり高校とは違うんだ。僕は2年生の「初等科教育法」っていう、授業をどうするのかってことに関する授業をさせてもらってるんだけど、グループごとに模擬授業をやってもらうんです。そのための指導案作成とかリハーサルを授業以外の時間でやるんですけど、それに付き合うと、お互いしゃべるようになるんですよ。それを過ぎると、2年生の皆さんとすごく仲良くなるんです。それが有意義で、大学だなと思ったりします。
 
今日の授業は「自由思考」って言って、今までは「こうですよ」って言ってた授業を、自分で考えてみるって形にしたんです。「電磁石について知ってることを考えてみて」って。「全然わからへん」っていう声も聞こえてくるんやけど、グループで話し合いをすると、だんだん出てくるんですよ。何か巻いたんじゃないかとか、「コイル」とかいう言葉も出てきて。私が「これしよう」じゃなくて、みんなが「どうしよう、どうしよう」から考えていく。実験もやってもらうんですけど、なかなかうまくいかなくて。エナメル線っていうのはコーティングしてあるから、サンドペーパーで磨かないと電気は流れないんですよ。そのように試行錯誤で頭を使ってもらう。
ある学生さんが授業の終わりに「今日はめちゃめちゃ頭使った」って言ってましたけど、それが一番の狙いだったんです。これもある意味、探究かなと。今度皆さんに考えてもらおうと思ってるんですけど、梅干しから塩を取り出すには、どうすればいいと思います?
 
渡邉:水に入れておいて、やがて結晶として取り出すとか?
谷:そう思うよね。それはまた考えていきましょう。もう1つ、紙にのりを塗るときに、水のりをつけると、紙がでこぼこになるんですよ。スティックのりはでこぼこしないのに、なんで水のりはでこぼこになるのか。これは意外と簡単ですけど、ちょっと考えておいてくださいね。また授業のどこかで入れたいと思います。渡邉さんは大谷大学に来ることを迷ってたそうだけど、今はすごく生き生きしてる。来て良かったなと思うことはありますか?
 
渡邉:他大学の友達の話を聞いてたら、大教室で、先生が遠いって。「休んでもバレへん」って言ってる友達も多いんですけど、谷大は小規模で、先生も学外で会っても声をかけてくださったりして、アットホームで近い距離なのがいいなって思ってます。あとは、ちょっとがんばったら中高の免許も取れることとか、1年生から学校ボランティア(※)に行かせてもらえたり、手厚く指導してくださるところです。事前のアポ取りも、学生が連絡してきます、って小学校側に事前に知らせてくださったりして。今、週に2回ボランティアに行ってるんですけど、そこで気づくことってすごく多くて、それも他の学校に行ってたらできてなかったと思うので、すごく良かったと思います。
(※学校ボランティア……大谷大学教職支援センターがサポートする教育現場体験プログラム。教育学部では、第1学年で必修科目となる(教育学部以外でも希望者は参加できるが、原則、教職課程履修者が望ましい)。実際の教育現場で授業や部活動の指導補助等を行う。)

PROFILEプロフィール

  • 谷 哲弥

    教育学部 教育学科 講師



    1981年3月 京都教育大学教育学部理学科卒業。1981年4月 京都府長岡京市・向日市・乙訓郡大山崎町にて小学校教員として勤務(~2018年3月)。2018年3月 京都教育大学大学院教育学研究科教科教育専攻理科教育専修(修士課程)修了。教育学修士。2018年4月 大谷大学教育学部着任。
    研究内容については、次の2つ。
    (1)小学校理科において、好奇心いっぱいの児童が持つ能動性を引き出すために必要な指導や教材開発について研究を進める。また、主体的対話的な学びとは何かを問いつつ、科学的な物の見方や考え方を養うことを目指す授業づくりについて研究を進める。
    (2)現職教員や教員養成段階の学生に対して、集団的省察活動を試み、教員としての資質・能力の熟達化を図る取組とその検証について研究を進める。



  • 中学の頃、友達に勉強を教えることの楽しさを知り、教師になる夢を持ち始めた。谷大への入学をギリギリまで悩んだものの、入ってみると小規模校ならでの先生との距離の近さや、充実したカリキュラムに満足し、今では刺激のある大学生活を大いに楽しんでいる。
    他大学との合同サークルや小学校でのボランティア活動、授業の課題などで大忙しの日々。自身が経験してきた探究活動を通して、子どもと共に自らも成長できるような教師になるべく研鑽を積んでいる。