他大学との合同サークルや小学校でのボランティア活動、授業の課題などで大忙しの日々を過ごしている渡邉さんは、実は谷大入学をギリギリまで悩んでいたと言います。それでも入ってみると、小規模校ならでの先生との距離の近さや、充実したカリキュラムに満足し、今では刺激のある大学生活を大いに楽しんでいます。自身が経験してきた探究活動を通して、子どもと共に自らも成長できるような教師になるべく研鑽を積んでいます。

04 理想は、いい質問ができる教師

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谷:受験はどんな風にしはったの?
 
渡邉:もともとは国公立で教育学部のある大学を目指してたんですけど、希望も通らずで……。入学金納入の締め切りギリギリまで、浪人しようか悩みました。
 
谷:教育学部ってことは、教師になりたいんですよね?なぜ小学校?
渡邉:何となく教師になりたいなって思い始めたのは中学生だと思うんですけど、友達に勉強を教えてて楽しいなとか、わかって喜んでくれるのがうれしくて。最初は得意げに「教えてあげるよ」みたいな感じでやってて、その時は社会の先生がいい先生だったので、中学校の社会の先生になりたいと思ったんです。でも高校生になって探究活動をしていく中で、自分はやっぱり小学校がいいなって思いだして。
 
いくつか理由はあるんですけど、中学校って教科が絞られてしまうんで、その教科でしか1人を見てあげられないって言うか、この教科でこういう態度だから、この子はこんな子だって思ってしまうことになるかなって思って。小学校やったら全教科なので、いろんな角度から1人の子を見てあげられるなって思ったのが1つ目の理由です。
もう1つは、これから時代が変わっていくにつれて、今の常識が全て通じるとは限らなくなってくると思っています。疑う前にそもそもの常識を知らないといけないんですけど、そういう中で、本当に自分が困ったとき、たとえば災害時とか、インターネットを検索しても答えが出てこない時って、その子を助けてくれるのは、思考力だと思うんです。だから、小さい時から考える習慣をつけて、そういう習慣がついた子が育っていけば、その子にとってより良い選択ができますし、いいのかなって思って。そういうのって、やっぱり探究活動とかの授業を受けた人が一緒にやって、共感することで伸ばせるのかなと思いますし、私もそうやって学んでいけたらなと思います。いい質問ができる教師になれたらなって思います。考えさせられるような質の高い問いが出せたらなって。
 
谷:本当ですね。私も頑張らないと。いきなりの質問じゃなくても、徐々に足場を固めていってもいいしね。自分の描く理想の教員像って、どんな感じですか?
 
渡邉:探究心と基礎的な学力を持っている先生っていう感じです。探究と勉強って、違うようだけど、どっちもないといけないんですよね。探究するためには必要最低限の知識が必要だけど、その知識や常識ばかりを信じていても、これからどんどん世の中が変わっていくんで、常識を疑う力も持っていないといけないってなったら、探究する力も必要っていう感じで、両輪になってくると思うんで、その2つを持っている教師になれたらいいなと思います。
 
具体的なイメージは、高校の時の先生ですかね。受験に結構失敗してたんで、本当に将来は教師で良いんかなとか余計なことまで考え出してきて、そのときに「面接の練習をしよう」って言われたんです。そのときに、どんな教師になりたいか自分の志望理由を考え直そうってことになって。そこで見つめ直して、大谷大学は教育大学とは違って様々な学科があるから、幅広い学びや出会いがあると思うようになって進学を決めたので、そのときに相談に乗ってくれた先生のように、背中を押せる存在になりたいなと思います。

PROFILEプロフィール

  • 谷 哲弥

    教育学部 教育学科 講師



    1981年3月 京都教育大学教育学部理学科卒業。1981年4月 京都府長岡京市・向日市・乙訓郡大山崎町にて小学校教員として勤務(~2018年3月)。2018年3月 京都教育大学大学院教育学研究科教科教育専攻理科教育専修(修士課程)修了。教育学修士。2018年4月 大谷大学教育学部着任。
    研究内容については、次の2つ。
    (1)小学校理科において、好奇心いっぱいの児童が持つ能動性を引き出すために必要な指導や教材開発について研究を進める。また、主体的対話的な学びとは何かを問いつつ、科学的な物の見方や考え方を養うことを目指す授業づくりについて研究を進める。
    (2)現職教員や教員養成段階の学生に対して、集団的省察活動を試み、教員としての資質・能力の熟達化を図る取組とその検証について研究を進める。



  • 中学の頃、友達に勉強を教えることの楽しさを知り、教師になる夢を持ち始めた。谷大への入学をギリギリまで悩んだものの、入ってみると小規模校ならでの先生との距離の近さや、充実したカリキュラムに満足し、今では刺激のある大学生活を大いに楽しんでいる。
    他大学との合同サークルや小学校でのボランティア活動、授業の課題などで大忙しの日々。自身が経験してきた探究活動を通して、子どもと共に自らも成長できるような教師になるべく研鑽を積んでいる。