「大学は楽しすぎる」と言う阪本さんは、自身の体験が原点となって、幼稚園教諭を目指しています。課題の多い授業がたくさんある上、片道2時間かかる遠距離通学ですが、高校時代の部活で培った体力や精神力で上手に時間をやりくりし、学園祭の実行委員としても活躍しています。2年次以降は、幼稚園や保育園でのボランティア、保育実習、教育実習など、実践的な学びが目白押し。アクティブな阪本さんが、さらに精力的に動き回ります。

05 実践体験を重ねて、実習本番に備える

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川北:幼児教育コースの学生さんたちには、実践体験活動演習という授業で週に1回保育の現場に行ってもらうってこともやっていて、現場の雰囲気を知り、できるだけいろんな人と関わって、コミュニケーションのとり方なども身につけていってほしいなと思っています。後期から始まった実戦体験活動演習はどうですか?
 
阪本:今は幼稚園に行ってるんですけど、やっぱり先生ってすごいなって思います。身体中に目がついてるんじゃないかなって思うくらい。離れたところで子どもたちがケンカしてても、後から「さっきこんなことしてたやろ」って言葉掛けをしたりとか。今はいろんなクラスに入らせてもらってるんですけど、もっと慣れないと、ああいうことはできないです。
 
川北:子どもに関しては、何か気づいた?
 
阪本:年中さんくらいからは、友達の嫌なことはしないように、自分勝手な行動が少なくなるけど、年少さんは自分の気持ちが一番で。意思表示ができるっていうのはすごいことだと思うんですけど、年中さんは、友達の気持ちも考えようって考えてる感じがあって、1年でも全然違うなって思います。
川北:小さな時から人のことを思いやるとか、そういう基礎ができていくところを見られたんだね。保育者の仕事って、子どもたちの人間としての基礎を作っていく段階だから、すっごく責任重いよね。私が大学生の時、先生が「君たちは子どもの人生で一番最初の先生になるんやで」って言ったんです。当たり前なんやけど、そのことがすごく心に響いて。企業に就職しても自分のやりたい仕事ができなかったり、そもそも望む仕事に就けなかったりすることを考えると、保育の仕事って、がんばれば手の届くところにあるっていうのがすごく幸せやなと思います。みんながその幸せをちゃんとつかんでくれたらいいなあ。
 
阪本:今はいろんな経験をしたいなって思います。実習先も、保育園にも行きたいし、障害を持ってる子どもたちの様子も見られたらいいなと思うし、子どもたちと関わるボランティアも積極的にできたらいいなと思うし。もっと自分から動いて、いろんな知識を得たいなと思います。
 
川北:実践体験活動演習では、幼稚園、保育園、子ども園とかに行くけど、実際に見ることによって「これがあの時先生が言ってたことなのか」って思ってもらえると思うんだよね。多分他の大学ではいきなり実習に行くことになるんやけど、大谷大学幼児教育コースでは1年生の後期から、実習に行く前までに3期×10回程度の実践体験の機会を設けています。1年生の間は、子どもたちの様子を観察する。2年生の前期になったら、先生が子どもとどう関わってるかを見てもらう。2年生の後期には、自分やったらどう動くかってことを考えてもらうっていう風に、段階を踏めるようにカリキュラムを考えてるんですよ。
 
阪本:現場は見てみないとわからないので、授業と照らし合わせることができるのがいいですね。

PROFILEプロフィール

  • 川北 典子

    教育学部 教育学科 教授



    京都府生まれ。1985年京都女子大学大学院家政学研究科児童学専攻修了。龍谷大学短期大学部社会福祉科講師、関西保育福祉専門学校講師、平安女学院大学短期大学部教授を経て、2018年大谷大学教育学部教授。
    研究内容については、次の2つ。
    (1)関西圏の児童文化財について、主に明治以降の歴史を辿り、現代の子どもの文化に活かす方法を考えてきた。具体的には、絵本・児童文学・玩具・紙芝居・人形劇を研究領域としている。
    (2)絵本や玩具等の児童文化財を有効的に活用した子育て支援学の構築を考えている。子どもや若者も含めて、現在支援される人々が、今後支援する側に廻っていけるような循環型の支援の仕組みをつくっていきたいと思っている。



  • 幼稚園が楽しすぎたという自身の体験が原点となり、幼稚園教諭を目指している。大谷大学を選んだのは、オープンキャンパスで先輩の話が聞けたことが一番の決め手。先生と距離が近く相談しやすい環境であること、少人数で一人ひとりのことを見てくれることなどを教えてもらった。
    課題の多い授業がたくさんある上、片道2時間かかる遠距離通学だが、高校時代の部活で培った体力や精神力で上手に時間をやりくりし、アクティブに活躍している。