谷大の充実したフィールドワークに魅力を感じて入学してきた行徳さんは、さっそく社会福祉施設に行ってきました。現場を見て話を聞き、体験させてもらった経験がさらなる意欲につながり、中学の職場体験で抱いた福祉の仕事への興味が、社会福祉士という形のある夢へと育ってきました。夜回り活動や引きこもり支援をしている経験豊富な先生のもと、持ち前の朗らかさを発揮して勉強していく予定です。

09 振り落とされている社会課題は、自分が解決する

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行徳:先生が社会福祉の方向に進もうと思ったのはなんでですか?
 
 
岡部:大学生くらいの頃なんですけど、私の世代って「ゆとり」の最先端なんですよ。若者バッシングがすごくて、私たちは悪いこと何もしてないのに、なんでゆとり世代って馬鹿にされるんだろうってずっと思ってたんです。「ひきこもり」とか不登校とか、私たちの世代でも多くなって、そういう人たちの話を聞くと、その人たちが悪いわけではなくて社会の方に問題があるんじゃないかなと思ったんですね。
 
私は人のためになりたいと思って社会福祉を学ぶけど、社会福祉はそういう若い人たちを排除するというか、見捨てているんじゃないかなと思って。じゃあ若者支援を自分がやろうと思いました。社会福祉でも、振り落とされている社会課題があるんですよ。
大学で学習支援のサークルに入った時も、自分は普通に勉強して大学まできたけど、そもそも勉強するのが難しい環境にいる人達とか、すごくいじめられて学校に行けないとかいう話を聞くと、本人は全く悪くないのにそうやって孤立して社会生活を送らないといけなくて、家族とかもすごくいい人たちなのにその子の支えになれないってことで苦しんでいて、それも辛いなと思ったんですよね。高齢者とか児童とか障がい者は、支援がまだまだ不十分だけど社会福祉の対象になっている。けど若者は対象になっていないので、そこら辺をやりたいなと思ったわけです。
 
行徳:その中で自分で韓国語を勉強したんですか?
 
岡部:はい。日本は家出少年の記録をあまりしてないんですけど、韓国は家出少年対策が進んでいて、どうやってやってるのかとか日本との比較をする際に韓国語の文献を読まないといけないと思って覚えました。でも青少年と福祉系の単語しか覚えてないですけど。よく行ってた時は年に4回くらいは調査で韓国に行ってましたけど、話す方はできないです。
 
行徳:すごいですね。
 
岡部:一生勉強やで、きっと。
 
行徳:はい。でも今はポケモンGOにはまってます。
 
岡部:そっか(笑)。

PROFILEプロフィール

  • 岡部 茜

    社会学部コミュニティデザイン学科 講師



    石川県生まれ。立命館大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。 博士(社会学・立命館大学)。滋賀県立精神保健福祉センターひきこもり支援センター非常勤職員(2013~)などを経て、現在に至る。
    生活困難に直面している若者を対象としたソーシャルワークについて研究している。現代社会では、ひきこもりやホームレス、過労死など様々な若者の生活困難が明らかになりつつある。そうした状態を統一的に検討するソーシャルワークの視角を考えるとともに、生活に困難さを感じている若者とそうした課題に関心を持つ人々が、お互いにより生きやすい地域・社会づくりを可能としていける方法を模索している。



  • 大学案内の冊子を見てピンと来た大谷大学。オープンキャンパスも何度も参加し、充実したフィールドワークに魅力を感じて受験を決めた。1年生のうちから社会福祉施設の現場を見て話を聞き、体験させてもらった経験がさらなる意欲につながり、中学の職場体験で抱いた福祉の仕事への興味が、社会福祉士という形のある夢へと育ってきた。
    夜回り活動や引きこもり支援をしている経験豊富な先生のもと、持ち前の朗らかさを発揮して勉強していく予定。