歌も語学も陸上も、なんでもこなす多田さんが生涯の研究対象に選んだのは、仏教でした。夢がかなわず挫折したとき、仏教の言葉が心の支えになったと言います。「これをやろう」と決めた多田さんの行動は、誰にも止められません。多分野の講演会や展示会に足を運んで見聞を広め、海外で語学力やコミュニケーション能力も磨いてきました。先生方も、明確な目標を描いて常に自らを向上させようとする多田さんの今後を、心から楽しみにしています。

08 明確な人生設計で夢を掴む

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新田:今、授業はどうですか?オープンキャンパスに来て模擬授業とかも受けてくれたと思うけど、入学後にギャップはありましたか?
多田:全くないですね。全体的に楽しいです。教職課程で「日本国憲法」の授業とか取らないといけなかったりするんですけど、「こことここつながるやん」とか、政教分離の話とかが面白くて。授業は全体的に面白いです。でも大谷派の教師資格と、卒業単位と、教職の単位がかぶるように授業を取るんで、今はあんまり好きな授業は取れなくて。「死生学」は取れるんですけど「生命倫理」は取れなかったりとか。そういうのはもう、単位はいらないので授業を聞かせてくださいって教授に言ってます。
 
新田:すごいですね。仏教学科の授業は?
 
多田:今は文献を読むための漢文読解の授業です。レ点とかから始めて。あとは演習ですね。釈尊の生涯をたどったりとか。言語は全部やりたいと思ってます。パーリ語とチベット語は、2年生以降じゃないと取れないんですけど。
 
新田:僕はパーリ語の担当ですけど、どんどんやってください。何か質問はありますか?
 
多田:どうやったら教授になれますか?
 
新田:あの手この手で(笑)。
 
多田:ははは。
新田:何で教授になりたいの?
 
多田:研究したいからです。あとは、子どもが好きだからです。子どもって言うか、年下と言うか、人と接するのが好きなんです。40歳くらいまで中学・高校の先生をして、そっからは大学の先生になりたいです。
 
新田:もうちゃんとプランがあるんですね。活躍する多田さんを是非見せてください。あと20年は頑張って生きようと思うので。
 
多田:どうかその先も(笑)。

PROFILEプロフィール

  • 新田 智通

    文学部 仏教学科 准教授



    2004年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。2008年博士(文学)。
    おもに19世紀から20世紀前半にかけて構築された仏教理解のなかには、近代西洋的な考え方の影響を受けているものが少なくない。そうした理解の多くが、まだ十分に問い直されることのないまま残されている。目下のところは「ブッダ観」を中心に、かつての定説を問い直すことを主要なテーマとしている。



  • 歌に語学に陸上に、さまざまなことに挑戦してきた。夢がかなわず挫折したとき仏教の言葉が心の支えになったことから、仏教に興味を持ち始めた。大谷大学への進学を決めたのは、オープンキャンパスで先生のお話を聞き、仏教への興味がさらに深まったから。
    多分野の講演会や展示会に足を運んで見聞を広め、海外で語学力やコミュニケーション能力も磨いてきたことを生かし、明確な目標に向かって常に自らを向上させようと力強く進んでいる。