歌も語学も陸上も、なんでもこなす多田さんが生涯の研究対象に選んだのは、仏教でした。夢がかなわず挫折したとき、仏教の言葉が心の支えになったと言います。「これをやろう」と決めた多田さんの行動は、誰にも止められません。多分野の講演会や展示会に足を運んで見聞を広め、海外で語学力やコミュニケーション能力も磨いてきました。先生方も、明確な目標を描いて常に自らを向上させようとする多田さんの今後を、心から楽しみにしています。

03 オープンキャンパスに何度も来て、先生方と知り合いに

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新田:仏教に興味を持った後、進学先を大谷大学にしたのはなぜですか?
 
多田:やっぱりオープンキャンパスに来たことですね。大谷大学の系列校だったので、高校1年生の時に谷大のオープンキャンパスに来たんです。その時に箕浦先生の研究室に遊びに行って、いろいろな話をさせていただいて。それからもうここに来たいって思うようになりました。
 
新田:どういう話をしたんですか?
 
多田:私が仏教に興味を持った経緯とか、こういうところが面白いんですっていう話をして、そこから何回か研究室を訪ねさせてもらって。中3の陸上のことを書いた「親鸞エッセイコンテスト」で最優秀賞をいただきまして。高1の時も優秀賞をいただいたんです。それが始まりです。
 
新田:真宗学科は選択肢に入らなかったのですか?
多田:すごい迷いました。それも箕浦先生には相談してて。まず、ゴータマっていう青年、お釈迦様が何を考えて、何を思ってたのかっていう原点みたいなところを知るところから始めたらどうかなって言われて、その通りだなって思って。そこから、インド仏教をやるのかチベット仏教をやるのか、浄土真宗を研究するのかわからないですけど、真宗っていう一派に絞ってしまうんじゃなくて、幅広く仏教のいろんなことを学んでいきたいと思って仏教学科にしました。
 
新田:箕浦先生の口車に乗りましたね(笑)。
 
多田:いえ、そんなことはないです(笑)。仏教学科で良かったです。
 
新田:オープンキャンパスのスタッフもしてる?
 
多田:1回やりました。私、オープンキャンパスに何回も来てて、仏教学科の先輩とお話ししたかったんですけど、1回も出会ったことなくて。
 
新田:レアだからね。
 
多田:そうなんですよね。今年は21人しかいないですし。それで、スタッフをやってしまうと、スタッフの仕事をやる時間とかで忙しくて、来てくれた高校生と話せなくなってしまうので、オープンキャンパスのときは、勝手に来て仏教学科のブースにいるっていう形にしたいって学長にお話ししたんです。学長先生とは結構前から面識があって、今も時々学長室にお話に行きます(笑)。
 
新田:どこで会ったんですか?
 
多田:他大学の公開講座とか真宗大谷派東本願寺の報恩講のときに、いろんな方から「木越先生と話してみると面白いと思うよ」って言われてたんで、オープンキャンパスの時に話したりしました。入学前から采睪先生とか山本先生とかとも面識があって。山本先生とは一緒にインド研修に行きましょうっていう話もしてて。
 
新田:じゃあ大学で困ったことがあれば、多田さんにお願いすればいいですね(笑)。
 
多田:いえいえ(笑)。

PROFILEプロフィール

  • 新田 智通

    文学部 仏教学科 准教授



    2004年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。2008年博士(文学)。
    おもに19世紀から20世紀前半にかけて構築された仏教理解のなかには、近代西洋的な考え方の影響を受けているものが少なくない。そうした理解の多くが、まだ十分に問い直されることのないまま残されている。目下のところは「ブッダ観」を中心に、かつての定説を問い直すことを主要なテーマとしている。



  • 歌に語学に陸上に、さまざまなことに挑戦してきた。夢がかなわず挫折したとき仏教の言葉が心の支えになったことから、仏教に興味を持ち始めた。大谷大学への進学を決めたのは、オープンキャンパスで先生のお話を聞き、仏教への興味がさらに深まったから。
    多分野の講演会や展示会に足を運んで見聞を広め、海外で語学力やコミュニケーション能力も磨いてきたことを生かし、明確な目標に向かって常に自らを向上させようと力強く進んでいる。