歌も語学も陸上も、なんでもこなす多田さんが生涯の研究対象に選んだのは、仏教でした。夢がかなわず挫折したとき、仏教の言葉が心の支えになったと言います。「これをやろう」と決めた多田さんの行動は、誰にも止められません。多分野の講演会や展示会に足を運んで見聞を広め、海外で語学力やコミュニケーション能力も磨いてきました。先生方も、明確な目標を描いて常に自らを向上させようとする多田さんの今後を、心から楽しみにしています。

02 挫折を学ぶ機会に変換するポジティブ思考

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新田:趣味は何ですか?
 
多田:結構何でも好きです。服も好きですし、歌うことも好きで。私、小さい時に子役をやってまして。それから3年間くらい、エイベックスに所属して歌を歌ってました。プロを目指してレッスンを受けてたんです。その後、陸上をやって、今は仏教をやってます。だから趣味はいっぱいあります。
 
新田:そうですか。私は趣味はないですね。
 
多田:最近は、サンスクリット語にハマってます。授業で習ったら使いたくなっちゃって。
新田:でもサンスクリット語なんて、使う機会もないでしょ……。
 
多田:サンスクリットは同じ学科の友達と単語で会話したりします。楽しいです。
 
新田:……ふと気づくと、周りからだんだん人が消えていったりしない?
 
多田:大丈夫です(笑)。
 
新田:よく友達から「変わってるね」って言われませんか?
多田:言われます(笑)。
 
新田:小さい頃からいろんなことをやってたんですか?
 
多田:そうですね。習い事とかも結構いろいろやってて。小学校のときは1週間全部習い事で埋まってて。
 
新田:しんどくなかったですか?落ち込んだことは?
 
多田:中3で全国大会に出れなかったことは挫折でしたし、高1の時に足に腫瘍ができて走れなくなったんです。そこから選手はやめてマネージャーになったんですけど、その時もすごく落ち込みました。でも立ち止まったり挫折したりした時に響いてくるのが仏教の言葉で。そういう時にいろんなことを学ぶことが多くて、挫折こそ学ぶ機会だなって思います。
 
新田:すごくポジティブですね。
 
多田:めちゃよく言われます(笑)。

PROFILEプロフィール

  • 新田 智通

    文学部 仏教学科 准教授



    2004年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。2008年博士(文学)。
    おもに19世紀から20世紀前半にかけて構築された仏教理解のなかには、近代西洋的な考え方の影響を受けているものが少なくない。そうした理解の多くが、まだ十分に問い直されることのないまま残されている。目下のところは「ブッダ観」を中心に、かつての定説を問い直すことを主要なテーマとしている。



  • 歌に語学に陸上に、さまざまなことに挑戦してきた。夢がかなわず挫折したとき仏教の言葉が心の支えになったことから、仏教に興味を持ち始めた。大谷大学への進学を決めたのは、オープンキャンパスで先生のお話を聞き、仏教への興味がさらに深まったから。
    多分野の講演会や展示会に足を運んで見聞を広め、海外で語学力やコミュニケーション能力も磨いてきたことを生かし、明確な目標に向かって常に自らを向上させようと力強く進んでいる。