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OTANI TALK

2019

文学科 p.07


このページに掲載している情報は、取材当時(2018年度)のものです。

07:物事を結び付けて、社会や時代を批判的に考えていく

土手下:先生は、なんでジェンダー研究を始められたんですか?

泉谷:僕は卒業論文を書くときに、遠藤周作の『深い河』を扱ったんです。そのときは、ジェンダーっていう考え方は全く分からずに、この作品に出てくる女性像って面白いなって思いながら分析してたんです。そうしたら指導の先生が「君はジェンダーに興味があるんだね」って言って「こういう本を読みなさい」って読むべき本を教えてくれて、道筋をつけてくれたんですね。それで言われた通りに読んでみたら、4年生にして研究の面白さに気づいたんです。ジェンダーの考えに基づいて読んでみると、全然違うんですね。読んだことのある作品なのに、それまで気づいてなかった部分にも気づけるようになって、そこで初めて、文学作品を多彩な観点から読むっていうことの面白さを知ったんです。それで卒業論文にも熱心に取り組みまして。その延長で研究をしています。

土手下:先生の研究室の棚には、ジェンダーの本がいっぱいありますね。ボードゲームもいっぱいありますけど(笑)。

対談の様子

先生の本棚 泉谷:そうなんです。ボードゲームは静かなブームだそうですね。ゼミ生とやってみたら結構楽しくて僕もはまってしまって。言い訳じゃないけど、今の文学研究って、いろんなことを知ってないとできないっていう世知辛い事情がありまして(笑)。作家のことを知っておくっていうことももちろんだけど、その時代の社会背景とかも全部関連付けていかないと。大変だなって今でも思います。

僕はまだ新米の研究者だけど、先輩の研究者を見ると本当にいろいろなことを知っていて、すごいなと思いますね。「この人は〇〇高校を出ててね」とか、授業でもレジュメもなくしゃべれるんですよ。そういう知識の連続に圧倒されたし、物事を結び付けて今の社会や時代を批判的に考えていくっていうことも、すごく意義のあることやなって思うようになったんですね。

僕は今こういう仕事をしてるけど、勉強にはあんまり興味がなかったんですよ。大学3年生までは本当に怠惰な生活をしてたんです。4年生になって、さすがに良心が咎めて、このまま卒業したらこの4年間は何だったんだって思って、4年生だけは真面目にやろうと。その時の先生がいろいろ指導してくれたので、タイミングが良かったんですよね。4年生の1年間で3年分を取り戻した感じで。本当に4年生の時はずっと本を読んでいました。

土手下:そしてそのまま研究者になったんですか?

泉谷:いや、そうやって一本の論文を仕上げたっていうのがすごく面白い体験で、深く心に残ったことは確かなんだけど、僕は一回就職したんですよ。「院には行かないの?」って先生にも言ってもらったんですけど、まあせっかく就職が決まってたので働いてみようと。卒業論文の審査の時に、「また戻って研究できる場所があるということは覚えておきなさい」って言ってもらって、それがすごく嬉しくて泣きそうになりました(笑)。それで働き始めたんだけど、やっぱりあの時が面白かったな、文学の勉強を続けたいなという思いが日に日に募って、大学院に戻ったんです。

泉谷先生

子どもの頃は教員なんて絶対に嫌やって思ってたんですけど、いつの間にか教員をしてますから、本当に人生わからないなって思いますね。未だに夢じゃないかなって。僕自身が幻想文学の主人公じゃないかって馬鹿なことを思ったりしますね。だから土手下さんも人生はどう転ぶかわからないけど、常に努力をしていたら、身に着けたものを生かせるときは出てきますので、あまり不安にならずに、今のことに集中してもらったらいいんじゃないかと思います。

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